臨床研究173

GeLVIS (Hydrogel Coil with LVIS Stent) による脳動脈瘤治療の後方視的安全性・有効性検証

研究機関名およびその長の氏名 岡山大学病院 前田嘉信
研究責任者 岡山大学病院 脳神経外科 杉生憲志

研究の背景および目的

脳動脈瘤に対する血管内治療は、近年の医療機器の進歩と医師の技術向上により、大きく発展しています。ステント(血管の中に入れる金属の筒)やバルーン(風船)を使った方法が普及したことで、これまで治療が難しかった動脈瘤にも安全に対応できるようになりました。一方で、治療後に再び血液が動脈瘤の中に流れ込む「再発」は、今も重要な課題です。
そこで私たちは、金属製の細かく編まれたステント(LVIS®)と、動脈瘤の中で膨らむ特殊なコイル(HydroCoil®)を組み合わせた治療法「GeLVISテクニック」に注目しています。この方法は、ステントによる血流の調整とコイルの膨張効果を組み合わせることで、再発を減らすことが期待されています。
これまで、LVIS®とHydroCoil®それぞれの有効性に関する報告はいくつかありますが、これらを併用した症例に焦点を当てた報告は少なく、この方法において「どのくらいの割合で HydroCoil を使うと効果が高いか」は明らかになっていません。そこでこの研究では、複数の医療機関で行われた治療データを集め、GeLVISテクニックの有効性と安全性、さらに HydroCoil の使用割合と治療成績との関係を明らかにすることを目的としています。

研究対象者

2015年1月1日~2024年12月31日の間に岡山大学病院および既存情報の提供のみを行う機関で脳動脈瘤に対するコイル塞栓術の治療を受けられた方の中で、上記のGeLVISテクニックを用いて治療された94名、岡山大学病院脳神経外科においては治療を受けられた方33名を研究対象とします。

研究期間

研究機関の長の許可日~2027年3月31日
情報の利用開始予定日:研究機関の長の許可日から1週間後

研究方法

この研究は、岡山大学を中心とした複数の医療機関による研究として行います。対象は、2015年から2024年の間に、GeLVISテクニック(ハイドロコイル〈HydroCoil®〉とLVIS®ステントを組み合わせた治療)を用いて治療を受けた脳動脈瘤の患者さんです。
治療や検査の記録から、患者さんの年齢や性別、動脈瘤の大きさや場所、使用したステントやコイルの種類、合併症の有無、治療後の動脈瘤閉塞(画像検査による評価)などの情報を整理し、統計的に分析します。特に、使用したコイルのうちハイドロコイルがどの程度の割合を占めているか(HydroCoil比率)に注目し、その割合が治療後の動脈瘤の閉塞や再発、合併症にどのように関係しているかを調べます。
この研究では、過去の診療データを、個人を直ちに特定できないよう加工して使用し、新たな検査や治療は行いません。

使用する情報

この研究に使用する情報として、カルテから以下の情報を抽出し使用させていただきますが、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し使用します。また、あなたの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。

  1. あなたの基本情報:年齢、性別
  2. 画像所見:動脈瘤の形状、血栓化の有無、動脈瘤の大きさ
  3. 治療情報、合併症に関するデータ:治療した回数、治療した時期、治療した部位、使用したステントのサイズ、使用ステントの種類、ステントの置き方、留置したコイルの長さ、HydroCoilの長さ、合併症の有無、塞栓率(術直後、6か月後、12か月後、24か月後)、再治療の有無

情報の保存

この研究に使用した情報は、研究の中止または研究終了後5年間、岡山大学病院臨床研究棟9階 岡山大学脳神経外科医局内の保管庫で保存させていただきます。電子情報の場合はパスワード等で制御されたコンピューターに保存し、その他の情報は施錠可能な保管庫に保存します。

二次利用

この研究で得られた情報を将来別の研究に用いる可能性はありません。

研究資金と利益相反

この研究は特段の費用を要しないため特定の研究資金は用いません。
この研究全体の利益相反はありませんが、利益相反の申告が必要な研究者等においては、その点を利益相反マネジメント委員会に申告し、その審査と承認を得ております。

研究計画書および個人情報の開示

あなたのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申し出ください。
また、この研究における個人情報の開示は、あなたが希望される場合にのみ行います。あなたの同意により、ご家族等(父母(親権者)、配偶者、成人の子又は兄弟姉妹等、後見人、保佐人)を交えてお知らせすることもできます。内容についておわかりになりにくい点がありましたら、遠慮なく担当者にお尋ねください。
この研究は氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できるデータをわからない形にして、学会や論文で発表しますので、ご了解ください。

この研究にご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせください。また、あなたの情報が研究に使用されることについて、あなたもしくは代理人の方(ご家族の方等も拒否を申し出ることが出来る場合があります。詳細については下記の連絡先にお問い合わせください。)にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申し出ください。ただし、すでにデータが解析され、個人を特定できない場合は情報を削除できない場合がありますので、ご了承ください。この場合も診療など病院サービスにおいて患者さんに不利益が生じることはありません。

問い合わせ・研究への利用を拒否する場合の連絡先

岡山大学病院 脳神経外科
氏名 杉生憲志
電話 086-235-7336(平日:8時30分~17時15分)

研究組織

研究機関名 岡山大学病院
研究責任者 岡山大学病院 脳神経外科 杉生憲志
既存情報の提供のみを行う機関
東北大学病院 脳神経外科 坂田洋之
新潟大学医歯学総合病院 脳神経外科 長谷川仁
聖路加国際病院 脳神経外科 佐藤慎祐
岐阜大学医学部附属病院 脳神経外科 榎本由貴子
名古屋大学医学部附属病院 脳神経外科 泉孝嗣
神戸市立医療センター中央市民病院 脳神経外科 小柳正臣
香川大学医学部附属病院 脳神経外科 川西正彦