臨床研究135

Spinal extradural arteriovenous fistula(脊髄硬膜外動静脈瘻)の分類と各疾患群における臨床症状、血管構築、治療成績の検討:全国調査

当科において脊髄硬膜外動静脈瘻の治療を受けられた方およびそのご家族の方へ
―「Spinal extradural arteriovenous fistula(脊髄硬膜外動静脈瘻)の分類と各疾患群における臨床症状、血管構築、治療成績の検討:全国調査」へご協力のお願い―

研究機関名 岡山大学病院
研究機関長 岡山大学病院長 前田嘉信
研究責任者 岡山大学病院 脳神経外科 助教 平松匡文
研究分担者 岡山大学病院 IVRセンター 准教授 杉生憲志

1.研究の概要

1) 研究の背景および目的

脊髄硬膜外動静脈瘻は、硬膜という脊髄を覆う膜の外側の部分で動脈と静脈が直接交通し、圧の高い動脈の血液が静脈に流れ込む病態です。このため様々な症状を起こし、脊髄の静脈に逆流した場合には麻痺や排尿、排便障害や感覚障害など重篤な症状をきたすことや、神経を圧迫した場合にはその神経の障害を起こすことがあり、診断と治療が重要な疾患です。治療法としては血管内治療(塞栓術)、外科手術があり、最近では体への負担が少ない治療であることから血管内治療が選択される機会が増えています。しかし、脊髄硬膜外動静脈瘻は複数の異なる疾患の総称であり、その詳細な分類や各疾患群の特徴には、いまだ不明な点も多くみられます。本研究の目的は、脊髄硬膜外動静脈瘻の血管構築や疾患分類と各疾患群の治療成績を明らかにすることです。

2) 予想される医学上の貢献及び研究の意義

脊髄硬膜外動静脈瘻は運動麻痺や感覚障害などの重篤な症状をきたしうる疾患であり、適切な疾患分類法と治療法の確立は重要であると考えられます。

2.研究の方法

1) 研究対象者

2011年1月1日~2020年12月31日の間に岡山大学病院および共同研究機関で脊髄硬膜外動静脈瘻の治療を受けられた方200名、岡山大学病院脳神経外科においては治療を受けられた方約15名を研究対象とします。

2) 研究期間

倫理委員会承認後(2021年8月13日)~2024年4月30日

3) 研究方法

2011年1月1日~2020年12月31日の間に当院において脊髄硬膜外動静脈瘻の治療を受けられた方で、研究者が診療情報をもとに患者背景・血管構築について・画像検査データ・治療内容・治療結果のデータを選び、疾患分類(動静脈瘻の存在部位)、血管構築と症状、治療結果、合併症、臨床転帰などに関する分析を行います。

4) 使用する情報

この研究に使用する情報として、カルテから以下の情報を抽出し使用させていただきますが、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し使用します。また、あなたの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。

  • 患者背景(年齢、性別、症状[脊髄症状、神経根症状、出血など]、病歴[外傷手術歴、骨折の有無、既往歴])
  • 血管構築について(シャントの場所、シャントのタイプ、流入動脈、流出動脈)
  • 画像検査データ(脊髄血管撮影、MRI/CTなど:脊髄浮腫、出血の有無、病変の広がり)
  • 治療内容(外科的治療、塞栓術、保存的治療)、塞栓術の場合には塞栓方法
  • 治療結果(動静脈瘻が閉塞したか残存したか)、合併症、臨床転帰

5) 外部への情報の提供

この研究に使用する情報は、以下の共同研究機関に提供させていただきます。提供の際、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し、提供させていただきます。

福岡大学筑紫病院脳神経外科
所在地 〒818-0067 福岡県筑紫野市俗明院1-1-1
Tel 092-921-1011
大分大学医学部附属病院放射線部
所在地 〒879-5593 大分県由布市挾間町医大が丘1-1
Tel 097-586-5934

6) 情報の保存、二次利用

この研究に使用した情報は、研究の中止または研究終了後10年間、研究事務局(福岡大学筑紫病院脳神経外科)および岡山大学病院脳神経外科内で保存させていただきます。電子情報の場合はパスワード等で制御されたコンピューターに保存し、その他の情報は施錠可能な保管庫に保存します。なお、保存した情報を用いて新たな研究を行う際は、倫理委員会にて承認を得ます。

7) 研究計画書および個人情報の開示

あなたのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申し出ください。

また、この研究における個人情報の開示は、あなたが希望される場合にのみ行います。あなたの同意により、ご家族等(父母(親権者)、配偶者、成人の子又は兄弟姉妹等、後見人、保佐人)を交えてお知らせすることもできます。内容についておわかりになりにくい点がありましたら、遠慮なく担当者にお尋ねください。

この研究は氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できるデータをわからない形にして、学会や論文で発表しますので、ご了解ください。

この研究にご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせください。また、あなたの情報が研究に使用されることについて、あなたもしくは代理人の方(ご家族の方等も拒否を申し出ることが出来る場合があります。詳細については下記の連絡先にお問い合わせください。)にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申し出ください。ただし、すでにデータが解析され、個人を特定できない場合は情報を削除できない場合がありますので、ご了承ください。この場合も診療など病院サービスにおいて患者の皆様に不利益が生じることはありません。

問い合わせ・連絡先

岡山大学病院 脳神経外科
氏名 平松匡文
Tel 086-235-7336(平日:8時30分~17時30分)
Fax 086-227-0191

研究組織

主管機関名 大分大学放射線部
研究代表責任者 大分大学 放射線部 准教授 清末一路
共同研究機関
  • 聖路加国際病院 神経血管内治療科 部長 新見康成
  • 筑波大学 脳神経外科脳卒中予防・治療学講座 教授 松丸祐司
  • 岡山大学 脳神経外科 助教 平松匡文
  • 東海大学 脳神経外科 講師 Kittipong Srivatanakul
  • 藤田保健衛生大学 脳卒中センター 教授 中原一郎
  • 久留米大学 放射線医学講座 講師 田上秀一
  • 虎の門病院 脳神経血管内治療科 部長 鶴田和太郎
  • 福岡大学筑紫病院 脳神経外科 講師 新居浩平
  • 福岡大学筑紫病院 脳神経外科 教授 東登志夫
研究事務局
  • 福岡大学筑紫病院 脳神経外科 講師 新居浩平
  • 福岡大学筑紫病院 脳神経外科 教授 東登志夫
既存情報の提供のみを行う機関 日本脳神経血管内治療学会専門医修練施設の内、既存上方提供の許可を得た施設