多施設脳卒中レジストリ「脳卒中データバンク(Japan Stroke Data Bank: JSDB)」を用いた我が国の脳卒中医療の研究
当院で 脳卒中(脳梗塞、一過性脳虚血発作、脳出血、くも膜下出血)の 治療を受けられた患者さん・ご家族様へ
当院では、以下の臨床研究を実施しています。この研究は、普段の診療で得られた以下の情報を解析してまとめるものです。この研究のために、新たな検査等は行いません。ご自身またはご家族がこの研究の対象者にあたると思われる方で、ご質問がある場合、以下の担当者までご連絡ください。また、この研究に診療の情報を使ってほしくないとのご意思がある場合も、遠慮なくご連絡ください。お申し出以降は、その方の情報はこの研究には利用せず、すでに収集した情報があれば削除します。お申し出による不利益は一切ありません。ただし、削除すべき情報が特定できない場合や、解析を終了している場合には、研究データから情報を削除できない場合がありますので、ご了承ください。
研究責任者 | 岡山大学病院 脳神経外科 特命教授 伊達勲 |
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対象となる方
2002年1月1日以降に、発症から(一過性脳虚血発作の場合は最後の発作から)7日以内の脳卒中(脳梗塞、一過性脳虚血発作、脳出血、くも膜下出血)のため入院された方。
研究の目的・意義
この研究は、多くの病院からこれまでのカルテ情報等を収集し、脳卒中患者の治療の実態及び予後を継続的に把握するとともに、治療成績を分析し、日本における脳卒中患者の治療指針を検証することを目的としています。この研究において我が国の脳卒中の性質や診療実態の特徴が明らかとなれば、参加機関の診療体制の改善、さらにはわが国の脳卒中診療についての医療政策への提言に繋がることが期待されます。
利用するカルテ情報・資料
- 基本情報(入院施設名、入院年月日、診断名、重症度、生年月日、年齢、性別、身長、体重、既往歴、併存症、内服薬、生活歴、家族歴、血液検査、COVID-19検査など)
- 画像検査(頭部CT、頭頚部MRI、頸動脈エコー、心エコー、カテーテル血管造影など)
- 診断情報(診断名(脳梗塞・TIA、脳出血、くも膜下出血)ごとの詳細な状況について)
- 入院後の治療内容
- 入院後の経過
- 退院時の状況(重症度、投薬内容)及び退院後の経過
- この研究に診療の情報を使ってほしくないとのご連絡をいただいた場合、その記録
詳細については下記「利用する診療情報一覧」もしくは日本脳卒中データバンクのホームページをご覧ください。
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利用する診療情報一覧
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患者基本情報
- レジストリID(自動付与)
- 入力者ID(自動付与)
- 入院施設名(自動付与)
- 情報入力年月日
- 性別
- 【女性のみ回答】妊娠中、産褥、ホルモン補充療法有無
- 生年月日
- 年齢(自動計算)
- 身長
- 体重
- BMI(自動計算)
来院時情報
- 併存疾患・既往症:心疾患、脳血管障害、もやもや病、脳動脈奇形、未破裂脳動脈瘤、高血圧、脂質異常、糖尿病、腎機能障害、肝疾患、悪性腫瘍、出血又は出血傾向、AIDS、その他
- 各併存疾患・既往症の詳細
- 過去の脳卒中ありの場合、診断名:脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、TIA(一過性黒内障を含む)
- 自院での脳血管障害加療歴、JSDB登録(既往歴で脳血管障害選択)の有無
- 脳卒中既往の入院年月日
- 【もやもや病のみ回答】:外科治療歴の有無
- 【脳動脈奇形のみ回答】外科治療歴の有無
- 【未破裂脳動脈瘤のみ回答】外科治療歴の有無
- 入院前内服薬
- 【ワルファリン内服症例のみ回答】来院時PT-INR
- 【DOAC内服症例のみ回答】最終内服時間
- 飲酒歴
- 喫煙歴
- 就労状況
- 介護保険の有無、内容
- 家族歴
- 入院前生活場所
- 救急車等の救急の利用の有無
- 他院からの紹介の有無
- 入院中の発症であったか
- 他院からの紹介の場合、他院でのt-PA治療の有無
- 最終未発症確認日時
- 発症日時
- 来院日時
- 入院年月日
- 発症もしくは最終未発症確認から来院までの時間
- 来院時症状
- 来院時Japan coma scale
- 発症前modified Rankin Scale(mRS)
- 診断:脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、TIA
- 【TIAのみ回答】症状継続時間
- 【脳梗塞、脳内出血、TIAのみ回答】来院時National Institutes of Health Stroke Scale(NIHSS)
- 【くも膜下出血のみ回答】来院時Glasgow coma scale、WFNS Grade
- バイタルサイン:収縮期血圧、拡張期血圧、心拍数
- 脈拍状態、心臓調律
- 血液検査:LDL-C、CRE、Hb、PLT、GLU、HbA1c、BNP、D-dimer
- 尿蛋白
- COVID-19検査
画像検査
- 頭部CT 実施の有無 有の場合:初回撮像時刻、条件、来院~画像診断までの時間
- 頭部MRI 実施の有無 有の場合:撮像時刻、撮像条件、T2*WI/SWI所見
- 頸部MRI 実施の有無 有の場合:撮像時刻、撮像条件、所見
来院~MRIまでの時間 - カテーテル血管造影 実施の有無
- 頸動脈エコー 実施の有無
- 経胸壁心エコー 実施の有無
- 経食道心エコー 実施の有無
- 下肢静脈エコー 実施の有無
診断情報(脳梗塞・TIA)
- 虚血部位
- 病型診断:ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症、その他の脳梗塞
- 画像上急性期虚血病巣の有無
- 虚血病巣の部位、単発/多発
- 塞栓源リスク因子
- 右左シャントの有無
- 深部静脈血栓の有無
- 閉塞血管、狭窄血管
- ASPECTS
- DWI-ASPECTS
- 心内血栓の有無
- 右左シャントの有無
- 大動脈複合粥腫病変の有無
- 深部静脈血栓の有無
- ABCD2スコア(算出)
- CHADS2スコア(算出)
- CHA2DS2-VAScスコア(算出)
- HAS-BLED出血リスクスコア(算出)
- 【病型でアテローム血栓性脳梗塞を選択した場合にのみ回答】機序、症候
- 【病型でその他の脳梗塞を選択した場合にのみ回答】
詳細:脳動脈解離、もやもや病、BAD、大動脈原性脳塞栓症、脳静脈血栓症、その他の確定した原因、原因不明
脳動脈解離の場合:責任血管、診断根拠、誘因
もやもや病の場合:既知/未知、血行再建術の既往
診断情報(くも膜下出血)
- 病型診断:動脈瘤破裂、もやもや病、脳動静脈奇形、硬膜動静脈瘻、感染性動脈瘤、原因不明、その他
- 動脈瘤の数:
- 動脈瘤の分類
- 動脈瘤の部位
- (嚢状動脈瘤の場合)最大径、瘤内血栓、Bleb有無、破裂有無
- くも膜下出血で特徴的な急性期の合併疾患の有無:肺水腫、左室壁運動異常、致死性不整脈
- Fisher分類
- 脳室内出血の有無
- 脳内血腫の有無
- 急性期水頭症の有無
- 【脳動静脈奇形のみ回答】Spetzler-Martin grade
- 【解離性動脈瘤のみ回答】責任血管、診断根拠、誘因
- 【もやもや病のみ回答】既知/未知、血行再建術の既往
急性期治療 脳梗塞・TIA
- tPA静注治療 実施の有無 有の場合:来院からt-PA投与までの時間(分)
- 急性期血管内再開通療法 実施の有無
有の場合:血管内再開通療法の内容、来院から穿刺までの時間(分)、穿刺から再開通までの時間(分)、パス回数、TICI score - 経静脈的抗凝固療法 実施の有無 有の場合:内容
- 抗血小板薬2剤併用療法 実施の有無
- 外科的手術 実施の有無 有の場合:内容、実施年月日
- 頸部頸動脈血行再建術 実施の有無、 有の場合:内容、実施年月日
急性期治療 脳出血
- 降圧療法 実施の有無、有の場合:内容
- 抗凝固薬中和治療 実施の有無、有の場合:薬剤名
- 外科的手術実施の有無、有の場合:術式
急性期治療 くも膜下出血
- クリッピング 実施の有無 有の場合:手術年月日
- コイル塞栓術 実施の有無 有の場合:手術年月日
- 水頭症シャント術 実施の有無 有の場合:手術年月日
- その他直達術 実施の有無 有の場合:手術年月日
- その他血管内治療 実施の有無 有の場合:施術年月日
- 保存的治療 実施の有無
- その他の外科治療 実施の有無
入院後情報
- NIHSS(24時間後)
- 【脳梗塞・TIAのみ回答】7日後NIHSS
- 【脳出血のみ回答】入院後の血腫拡大の有無、水頭症出現の有無
- 【くも膜下出血のみ回答】
- 7日後GCS・WFNS
- 再破裂の有無とタイミング
- 遅発性虚血性神経脱落症状の有無と程度
- 画像上の脳血管れん縮所見の有無
- 脳血管れん縮診断の根拠となった画像検査
- 脳血管れん縮に対する治療
- 血管内治療の詳細
- その他治療
- 脳血管れん縮による脳梗塞の有無
- 入院中脳卒中合併症
以下の脳卒中合併症に関しては日時を記載;
脳梗塞の増悪、脳梗塞の再発、症候悪化を伴う出血性梗塞、症候性脳内出血、症候性くも膜下出血 - 【脳梗塞/TIA症例で脳梗塞増悪、再発選択時のみ回答】入院中追加治療
- 入院中合併症
- 併存症(心疾患の詳細)
- Stroke Care Unit(SCU)治療の有無
- リハビリの有無 有の場合:理学療法(PT)、作業療法(OT)、言語聴覚療法(ST)の選択と開始年月日
- 7日目の栄養摂取状況
- 嚥下評価の有無
- 食事開始年月日
- 食事栄養指導の有無
- 栄養サポートチーム(NST)評価年月日
- 下肢DVT予防の有無 有の場合:下肢DVT予防法、開始年月日
- 禁煙指導の有無 有の場合:薬剤使用有無
- 脳卒中教育の有無
- 認知機能評価の有無 有の場合、評価年月日、評価年月日、MMSE点数、長谷川式点数、MoCA点数
退院時情報
- 退院年月日
- 退院時mRS 退院時mRS6(死亡)の場合:死因、死亡年月日
- 退院先
- 退院時治療薬
- 退院時抗血栓薬
- 退院時抗凝固薬
- 脂質改善薬
- 降圧薬
- 糖尿病薬
- Functional Independence Measure(FIM)点数
- Barthel Index(BI)点数
退院後追跡情報
- 入力年月日
3か月後調査
- 3ヶ月後調査年月日
- 3ヶ月後mRS、mRS6(死亡)の場合:死因、死亡年月日
- 3ヶ月以内の脳卒中発症:病型、発症年月日
- 症候性てんかん発作の有無
- 脳卒中後抗うつ剤使用の有無
- 退院から3ヶ月以内の治療:内容、施行年月日
- Functional Independence Measure(FIM)点数
- Barthel Index(BI)点数
- 認知機能評価の有無 有の場合:評価年月日、MMSE点数、長谷川式点数、MoCA点数
1年後調査
- 1年後調査年月日
- 1年後mRS、mRS6(死亡)の場合:死因、死亡年月日
- 1年以内の脳卒中発症:病型、発症年月日
- 退院から1年以内の治療:内容、施行年月日
- Functional Independence Measure(FIM)点数
- Barthel Index(BI)点数
- 認知機能評価の有無 有の場合:評価年月日、MMSE点数、長谷川式点数、MoCA点数
- 就業の有無
参加辞退
- 参加辞退の申し出があった場合、辞退理由
- 意思確認日
情報の管理責任者
岡山大学病院 院長 前田嘉信
研究の実施体制
研究代表者 国立循環器病研究センター 副院長 豊田一則
この研究は、他機関と共同で実施します。研究体制については以下のホームページをご覧ください。共同研究機関・研究責任者、この研究以外の診療で得られた情報をこの研究に提供のみ行う機関・人の一覧が記載されています。
日本脳卒中データバンク
外部機関への情報等の提供
この研究で収集した情報は、個人が直接特定されないように処理した上で、この研究の関係者のみが閲覧できるデータベースに保存されます。データベースおよび出力した情報は、以下の研究機関で厳重に管理されます。
研究機関名 | 国立循環器病研究センター |
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研究責任者 | 副院長 豊田一則 |
詳細を知りたい方は、以下のホームページをご覧ください。
日本脳卒中データバンク
この研究で収集した情報を、共同研究機関で共有し研究を行います。共有する際は、あなたのお名前等は削除し、個人が直接特定できないようにします。
提供方法 | CD-ROMにデータを保存し郵送 |
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研究期間
研究許可日より2029年12月31日まで(予定)
情報の利用または提供を開始する予定日:2024年12月9日(通知/公開から2週間後)
個人情報の取り扱い
お名前、住所等の個人を直接特定する情報については厳重に管理し、学会や学術雑誌等で公表する際には、個人を特定できない形で行います。
この文書は、研究期間中、[https://www.hsc.okayama-u.ac.jp/ethics/koukai/med/]に掲載しています。将来、この研究の計画を変更する場合や、収集した情報を新たな研究に利用する場合は、倫理審査委員会の承認と、研究機関の長の許可を受けて実施します。その際も、個別にお知らせしない場合は、同ページに公開いたします。
この研究の結果について
この研究は、ご自身またはご家族の健康に関する新たな結果が得られるものではありませんので、研究の結果を個別にお知らせすることはありません。
お問い合わせ先
岡山大学大学院 脳神経外科 助教 平松匡文 | |
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Tel | 086-235-7336 |