臨床研究104

Flow Diverterを用いた脳動脈瘤治療の効果と安全性に関する多施設共同登録研究


2016年7月1日~2018年12月31日の間に当科において内頚動脈未破裂脳動脈瘤の治療を受けられた方へ
―「Flow Diverterを用いた脳動脈瘤治療の効果と安全性に関する多施設共同登録研究」へご協力のお願い―

研究機関名 岡山大学病院
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
研究機関長 岡山大学病院長 金澤右
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科長  大塚愛二
研究責任者 岡山大学病院 IVRセンター・脳神経外科 准教授 杉生憲志
研究分担者
  • 岡山大学病院 脳神経外科 講師 菱川 朋人
  • 岡山大学病院 脳神経外科 助教 平松 匡文
  • 岡山大学病院 脳神経外科 医員 春間 純
  • 岡山大学病院 脳神経外科 医員 髙橋 悠
  • 岡山大学病院 脳神経外科 医員(大学院生) 胡谷 侑貴
  • 岡山大学病院 脳神経外科 医員(大学院生) 村井 智
  • 岡山大学病院 脳神経外科 医員(大学院生) 西 和彦
  • 岡山大学病院 脳神経外科 医員(大学院生) 山岡陽子
  • 岡山大学病院 脳神経外科 医員(大学院生) 佐藤 悠

1.研究の概要

1) 研究の背景および目的 

これまで治療困難と言われていた巨大脳動脈瘤に対して、カテーテルの新たな治療機器としてFlow diverter(血流変更ステント。商品名Pipeline Flex、日本メドトロニック社)が開発されました。Flow diverterは非常に目の細かいステントであり、動脈瘤が発生している正常血管に留置するだけで、動脈瘤が血栓化し最終的にはなくなる画期的な医療機器です。まずは海外で使用され始め、治療成績が良好であったため2015年に我が国でも導入されました。導入初期の200例については、日本メドトロニック社の製造販売後調査として日本脳神経外科学会の研究が実施されています。しかし頭蓋内動脈ステント(脳動脈瘤治療用Flow Diverter)実施基準(2015年3月)に「実施症例の調査に参加し、全例を登録すること」とあるように、引き続きその実態を調査する必要があります。すでに日本国内で40を超える施設でFlow Diverterを用いた治療が導入され、各施設の経験が蓄積されてきたことを基盤に、日本メドトロニック社の依頼を受け、本邦におけるFlow Diverterを用いた脳動脈瘤治療の安全性と有効性を調査することになりました。

この研究によりFlow Diverterを用いる脳動脈瘤治療の治療結果および術後12ヵ月時までのイベント(死亡、脳卒中、出血性症状等)の発現率を明らかにします。

2)予想される医学上の貢献及び研究の意義

この研究結果をFlow Diverterの導入時に参考にされた主要海外報告と比較することは、意義深く、また次世代の機器開発や導入に際して参考資料となることが期待できます。

2.研究の方法

1) 研究対象者

2016年7月1日~2018年12月31日の間に岡山大学病院および共同研究機関で内頚動脈未破裂脳動脈瘤の治療を受けられた方1,000名、岡山大学病院脳神経外科においては治療を受けられた方26名を研究対象とします。

2) 研究期間

臨床研究審査専門委員会承認後~2023年3月31日

3) 研究方法

2016年7月1日~2021年3月31日の間に当院において内頚動脈未破裂脳動脈瘤の治療を受けられた方で、研究者が診療情報をもとに年齢、性別、脳動脈瘤の部位・大きさ、治療内容、治療に使用した器具の種類、治療結果、経過等のデータを収集し、術後12ヵ月時までの死亡・脳卒中・出血性症状などの発生と治療結果を明らかにすることを目的としています。必要に応じて脳動脈瘤の完全閉塞の達成については、術後36ヵ月まで観察致します。

4) 使用する情報

この研究に使用する情報として、カルテから以下の情報を抽出し使用させていただきますが、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し使用します。また、あなたの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。

  • 年齢、性別、脳動脈瘤の部位・大きさ

  • 治療内容、治療に使用した器具の種類、治療結果、経過など

5) 外部への情報の提供

この研究に使用する情報は、以下の共同研究機関に提供させていただきます。提供の際、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し、提供させていただきます。

研究事務局
神戸市立医療センター中央市民病院 臨床研究推進センター
住所 〒650-0047 神戸市中央区港島南町2-1-1

6) 情報の保存、二次利用

この研究に使用した情報は、研究の中止、研究終了後または研究結果の最終の公表後57年間、研究事務局及び岡山大学病院脳神経外科(臨床研究棟9階脳神経外科医局 准教授室)内で保存させていただきます。電子情報の場合はパスワード等で制御されたコンピューターに保存し、その他の情報は施錠可能な保管庫に保存します。一定の期間保存が必要な理由は、研究終了後も論文作成やデータ確認を行う事が想定されるためです。

なお、保存した情報を用いて新たな研究を行う際は、倫理委員会にて承認を得ます。

廃棄の際には、個人情報に十分注意して、電子情報はコンピューターから完全抹消し、紙媒体(資料)はシュレッダーにて裁断し廃棄します。

7) 研究計画書および個人情報の開示

あなたのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申し出ください。

また、この研究における個人情報の開示は、あなたが希望される場合にのみ行います。あなたの同意により、ご家族等(父母(親権者)、配偶者、成人の子又は兄弟姉妹等、後見人、保佐人)を交えてお知らせすることもできます。内容についておわかりになりにくい点がありましたら、遠慮なく担当者にお尋ねください。

この研究は氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できるデータをわからない形にして、論文で発表しますので、ご了解ください。

問い合わせ・連絡先

岡山大学病院 脳神経外科
氏名 杉生憲志、髙橋 悠
Tel 086-235-7336(平日:8時30分~17時15分)
Fax 086-227-0191

研究組織

主任研究者 坂井信幸
(神戸市立医療センター中央市民病院 脳神経外科)
研究事務局 神戸市立医療センター中央市民病院 臨床研究推進センター
〒650-0047 神戸市中央区港島南町2-1-1
担当:坂井千秋
共同研究機関(参加施設)
  • 神戸市立医療センター中央市民病院 坂井信幸
  • 順天堂大学 大石英則
  • 愛知医科大学 宮地 茂
  • 京都大学 石井 暁
  • 信楽園病院 伊藤 靖
  • 獨協医科大学埼玉医療センター 兵頭明夫
  • 広南病院 松本康史
  • 筑波大学 松丸祐司
  • 国立大阪医療センター 藤中俊之
  • 兵庫医科大学 吉村紳一
  • 岡山大学 杉生憲志
  • 福岡大学筑紫病院 東登志夫
  • 富山大学  桑山直也
  • 名古屋大学 泉 孝嗣
  • 東京慈恵会医科大学 石橋敏寛
  • 福岡脳神経外科病院 風川 清
  • 昭和大学藤が丘病院  寺田友昭
  • 久留米大学 広畑 優
  • 仙台医療センター 江面正幸
  • 藤田保健衛生大学 中原一郎
  • 函館新都市病院 原口浩一
  • 大田記念病院 大田慎三
  • 虎の門病院 鶴田和太郎
  • 北海道大学 牛越 聡
  • 札幌白石記念病院 野中 雅
  • 岩手県立中央病院 木村尚人
  • 千葉大学 小林英一
  • 東京医科歯科大学  根本 繁
  • 東京大学 庄島正明
  • 信州大学 小山淳一
  • 金沢大学 内山尚之
  • 岐阜大学 榎本由貴子
  • 三重大学 当麻直樹
  • 国立循環器病研究センター 佐藤 徹
  • 横浜市立市民病院 増尾 修
  • 県立広島病院 岐浦禎展
  • 徳島大学 里見淳一郎
  • 香川大学  川西正彦
  • 大分大学 清末一路
  • 小倉記念病院 波多野武人
  • 厚地脳神経外科病院 永山哲也
  • 九州大学 飯原弘二
  • 大阪医科大学 大西宏之
  • 新潟大学 長谷川仁