臨床研究138

虚血発症頭蓋内内頚動脈解離の診断と治療に関する全国実態調査

当院において虚血発症頭蓋内内頚動脈解離の治療を受けられた方およびそのご家族の方へ
―「虚血発症頭蓋内内頚動脈解離の診断と治療に関する全国実態調査」へご協力のお願い――

1) 研究の背景および目的

わが国では脳動脈解離は椎骨動脈系に発生することが多く、虚血発症の頭蓋内内頚動脈解離は極めて稀な病気です。また、椎骨動脈解離とは異なり小児や若年者に発症することが特徴です。

症状としては、早期に脳梗塞のため重度の後遺症が残る場合や、症状がゆっくり進行し外科的治療が必要となる場合など様々です。実際にはバイパス術など外科治療、血管内治療、抗血小板、抗凝固療法を含む保存的治療など様々な治療が行われますが、稀な病気であることから治療法ごとの中長期の予後について統一された見解は得られていません。そのため多機関共同での実態調査により診断や治療に関わる現状や諸問題が明らかになることが期待されます。

この研究では、全国の脳神経外科専門医の常勤する施設に対してアンケート調査を行い、現在の虚血発症頭蓋内内頚動脈解離の治療方法の選択および治療成績、中長期予後の実態を明らかにし、今後の治療指針に資するデータを提供することを目的とします。

2) 研究対象者

2015年1月1日～2020年12月31日の間に岡山大学病院および共同研究機関で虚血発症頭蓋内内頚動脈解離の治療を受けられた方約60名、岡山大学病院脳神経外科においては治療を受けられた方1名を研究対象とします。

3) 研究期間

倫理委員会承認後（2021年10月22日）～2023年3月31日

4) 研究方法

当院において虚血発症頭蓋内内頚動脈解離の治療を受けられた方で、研究者が診療情報をもとに年齢・性別・既往歴・紹介元病院・紹介先病院・来院時所見・診断・治療・退院時結果のデータを選び、現在の虚血発症頭蓋内内頚動脈解離の治療方法の選択および治療成績、中長期予後の実態に関する分析を行います。

5) 使用する情報

この研究に使用する情報として、カルテから以下の情報を抽出し使用させていただきますが、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し使用します。また、あなたの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。

• 年齢、性別、既往歴、紹介元病院、紹介先病院
• 来院時所見：発症から来院までの時間、発症に関連した運動動作、来院時神経学的所見
• 診断：内頚動脈解離の診断根拠、今回発生した脳梗塞の所見、今回発生した動脈解離、梗塞以外の脳血管脳疾患
• 治療：初期治療、追加治療、
• 退院時結果：神経症状、画像上の脳梗塞

6) 外部への情報の提供

この研究に使用する情報は、以下の共同研究機関に提供させていただきます。提供の際、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し、提供させていただきます。

7) 情報の保存、二次利用

この研究に使用した情報は、研究の中止または研究終了後10年間、研究事務局および岡山大学病院脳神経外科内で保存させていただきます。電子情報の場合はパスワード等で制御されたコンピューターに保存し、その他の情報は施錠可能な保管庫に保存します。なお、保存した情報を用いて新たな研究を行う際は、倫理委員会にて承認を得ます。

8) 研究計画書および個人情報の開示

あなたのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申し出ください。

また、この研究における個人情報の開示は、あなたが希望される場合にのみ行います。あなたの同意により、ご家族等（父母（親権者）、配偶者、成人の子又は兄弟姉妹等、後見人、保佐人）を交えてお知らせすることもできます。内容についておわかりになりにくい点がありましたら、遠慮なく担当者にお尋ねください。

この研究は氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できるデータをわからない形にして、学会や論文で発表しますので、ご了解ください。

この研究にご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせください。また、あなたの情報が研究に使用されることについて、あなたもしくは代理人の方（ご家族の方等も拒否を申し出ることが出来る場合があります。詳細については下記の連絡先にお問い合わせください。）にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申し出ください。ただし、すでにデータが解析され、個人を特定できない場合は情報を削除できない場合がありますので、ご了承ください。この場合も診療など病院サービスにおいて患者さんに不利益が生じることはありません。

問い合わせ・連絡先

研究組織