脳腫瘍患者組織からの脳腫瘍幹細胞株の樹立と新規バイオマーカーの探索
「脳腫瘍患者組織からの脳腫瘍幹細胞株の樹立と新規バイオマーカーの探索」へのご協力のお願い
-平成23年12月1日~平成26年12月8日までに当科において脳腫瘍の治療を受けられた方へ-
研究機関名およびその長の氏名 | 岡山大学病院 前田 嘉信 |
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研究責任者 | 岡山大学病院 脳神経外科 教授 田中 將太 |
1.研究の意義と目的
(1)研究の背景
脳や脊髄にできる中枢(ちゅうすう)神経(しんけい)腫瘍(しゅよう)は脳組織自体から発生する原発性(げんぱつせい)脳(のう)腫瘍(しゅよう)と他の臓器のがんが脳へ転移してきた二次性脳腫瘍に分けられます。全国統計によると,原発性脳腫瘍の成人罹患率(りかんりつ)は10万人に10人程度,約4分の1がグリオーマ(=神経膠腫:しんけいこうしゅ)というグリア細胞(神経系を構成する神経細胞をサポートする細胞)由来の腫瘍であり,最も頻度の高い中枢神経腫瘍のひとつです。
近年,グリオーマ組織中に腫瘍の源となる幹(かん)細胞(さいぼう)様の細胞集団―グリオーマ幹細胞―が見つかっています。このグリオーマ幹細胞は,腫瘍を形成するだけでなく,化学療法や放射線療法に対して耐性であることも示されており,治療の重要な標的として認識されはじめています。
(2)研究の目的
腫瘍内のグリオーマ幹細胞の比率は非常に少なく,実際にグリオーマ幹細胞株(手術で取り出したグリオーマ幹細胞のうち、生きたまま研究で使える細胞)として研究で使用されているものはほとんどありません。
今回,我々は患者グリオーマ組織よりとりだしたグリオーマ幹細胞を用いて研究用の細胞株を作成し,これを用いて幹細胞の治療抵抗性(化学療法や放射線治療などの治療が効かない要因)に関わる新たなバイオマーカーなどの探索を行います。
2.研究の方法
1) 研究対象者
岡山大学病院の脳神経外科で診療を行った脳腫瘍の患者さま120人
2) 調査研究期間
2015年1月開催の研究倫理審査専門委員会承認後~ 2027年3月31日
3) 研究方法
手術のときに摘出したグリオーマ組織のうち,一部を用いて特殊な条件下で培養すると数日後にsphere(浮遊細胞塊)が形成されます。このうち,幹細胞の特徴を有するものをグリオーマ幹細胞株として樹立します。また,この細胞株を用いて,幹細胞を規定する新たな遺伝子や,治療抵抗に関わる遺伝子を同定します。なお,使用するグリオーマ組織は研究のために採取するのではなく,手術時に採取された試料のうち,残余(医療廃棄物として処分されるもの)を研究用試料として使用するため,新たな侵襲が加わることはありません。
以上の研究に用いるすべてのサンプルはすべて匿名化し,個人情報が漏出することのないよう研究を施行します。
4) 使用する試料
研究に使用する試料として、手術時の残余組織を使用させていただきますが、あなたの個人情報は削除し、匿名化して、個人情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。
5) 調査票等使用する情報
研究資料にはカルテから以下の情報を抽出し使用させていただきますが,患者さまの個人情報は削除し匿名化し,個人情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。
- 年齢,性別,家族歴,既往歴
- 診察所見,画像所見,治療内容,血液や組織,染色体検査,画像診断などの検査データ
- 組織
6) 試料・情報の保存、二次利用
本研究に使用した試料は、研究終了後も廃棄せず(半永久的)に保存させていただきます。なお、保存した試料・情報を用いて新たな研究を行う際は、倫理委員会にて承認を得た後、脳神経外科のホームページおよび掲示板にポスターを掲示してお知らせします。
カルテから抽出したデータ等は5年間保管後にコンピューターから削除します。
7) 情報の保護
調査情報は岡山大学病院脳神経外科内で厳重に取り扱います。電子情報の場合はパスワード等で制御されたコンピュータに保存し,その他の情報は施錠可能な保管庫に保存します。
8) 研究資金と利益相反
この研究での資金は、岡山大学脳神経外科の寄付金等より拠出される予定です。
この研究に関して利害関係が想定される企業等で研究責任者や分担者あるいはその家族が活動して収入を得ているようなことはありません。
私たちはこの研究によって特許を得る可能性があります。ただし、その権利は岡山大学に帰属します。研究対象者の方には帰属しません。
9) 研究計画書および個人情報の開示
あなたのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申出ください。
また、この研究における個人情報の開示は、あなたが希望される場合にのみ行います。あなたの同意により、ご家族等(父母(親権者)、配偶者、成人の子又は兄弟姉妹等)を交えてお知らせすることもできます。内容についておわかりになりにくい点がありましたら、遠慮なく担当者にお尋ねください。
内容についておわかりになりにくい点がありましたら、遠慮なく担当者にお尋ねください。
この研究は氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できるデータをわからない形にして、学会や論文、ホームページで発表しますので、ご了解ください。
この研究にご質問等がありましたら下記までお問い合わせ下さい。あなたの試料・情報が研究に使用されることについて、あなたもしくは代理人の方(ご家族の方等も拒否を申し出ることが出来る場合があります。詳細については下記の連絡先にお問い合わせください。)にご了承いただけない場合には研究対象としませんので,下記の連絡先までお申し出ください。ただし、すでにデータが解析され、個人を特定できない場合は情報を削除できない場合がありますので、ご了承ください。この場合も診療など病院サービスにおいて患者の皆様に不利益が生じることはありません。
問い合わせ・研究への利用を拒否する場合の連絡先
岡山大学病院 脳神経外科 | |
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職名 | 助教 |
氏名 | 大谷理浩 |
電話 | 086-235-7336(平日:am8:30〜17:00) |