臨床研究148-1

3Dプリンタ作成中空型脳動脈瘤モデルを用いた脳血管内治療術前シミュレーションの多機関共同研究(患者様用)

当院において頭蓋内未破裂脳動脈瘤の治療を受けられた方およびそのご家族の方へ

―「3Dプリンタ作成中空型脳動脈瘤モデルを用いた脳血管内治療術前シミュレーションの多機関共同研究」へご協力のお願い―

研究機関名 岡山大学病院
研究責任者 岡山大学病院 脳神経外科 春間 純

研究の背景および目的

術前シミュレーションの有効性は多く報告されていますが、脳血管内治療分野においては普及していません。脳血管内治療では、デバイス(道具)選択が重要です。術前に使用予定デバイスの使用可能の可否やサイズを検証する事が可能となれば、治療時間の短縮や被爆線量の低減、医療コスト面の改善が期待されます。このため、高精度の中空型脳動脈瘤モデル作成が可能となれば、脳血管内治療術前シミュレーションは可能となります。岡山大学病院脳神経外科では3Dプリンタを用いた高精度の中空型脳動脈瘤モデル作成に取り組み、これまで経験をした症例では、中空型脳動脈瘤モデルを用いた術前シミュレーションに有用な結果が得られています。中空型脳動脈瘤モデルを用いた術前シミュレーションの確立には、多機関で評価及び検証する必要があります。本研究では、多機関で脳動脈瘤モデルを使用した術前シミュレーションを行ってもらい、脳動脈瘤モデルの評価並びにシミュレーションの利点や実際の手術との比較をアンケート調査によって、その有効性と限界を検証します。

研究対象者

2022年9月1日~2024年8月31日の間に岡山大学病院および共同研究機関で頭蓋内未破裂脳動脈瘤の治療を受けられた方100名、岡山大学病院脳神経外科においては治療を受けられた方約30名を研究対象とします。

研究期間

倫理委員会承認後(2022年8月26日)~2025年8月31日

研究方法

当院及び参加機関において頭蓋内未破裂脳動脈瘤の治療を受けられる方について、脳動脈瘤の画像データを用いて、専用の画像アプリケーションを使用して脳動脈瘤データから3D脳動脈瘤モデルを作成します。作成した血管モデルを参加機関へ提供し、術前にシミュレーションを行ってもらいます。シミュレーション方法は、治療で使用するDSA装置を用いて、X線透視下に脳動脈瘤モデルを使用します。動脈瘤内にマイクロカテーテルの留置と治療方法に合わせた使用予定デバイスを使用し、実際の予定治療の術前シミュレーションを行います。患者情報・術者情報・シミュレーション情報・治療情報に関するアンケート調査を行い、3D脳動脈瘤モデル及び術前シミュレーションの有効性について評価します。術前シミュレーションによって治療方針が変更する事はありませんが、最終的には術前シミュレーションに基づく各主治医の判断によります。

使用する情報

この研究に使用する情報として、カルテから以下の情報を抽出し使用させていただきますが、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し使用します。また、あなたの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。

  • 患者情報:年齢、性別、動脈瘤部位
  • 術者情報:脳血管内治療指導医または脳血管内治療専門医資格の有無
  • シミュレーション情報: シミュレーション方法、シミュレーション時間、シミュレーション成功の有無
  • 治療情報:治療成功有無、合併症、シミュレーションの整合性

情報の保存、二次利用

この研究に使用した情報は、研究の中止または研究終了後5年間、岡山大学病院脳神経外科内で保存させていただきます。電子情報の場合はパスワード等で制御されたコンピューターに保存し、その他の情報は施錠可能な保管庫に保存します。なお、保存した情報を用いて新たな研究を行う際は、倫理委員会にて承認を得ます。

研究計画書および個人情報の開示

あなたのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申し出ください。

また、この研究における個人情報の開示は、あなたが希望される場合にのみ行います。あなたの同意により、ご家族等(父母(親権者)、配偶者、成人の子又は兄弟姉妹等、後見人、保佐人)を交えてお知らせすることもできます。内容についておわかりになりにくい点がありましたら、遠慮なく担当者にお尋ねください。

この研究は氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できるデータをわからない形にして、学会や論文で発表しますので、ご了解ください。

この研究にご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせください。また、あなたの情報が研究に使用されることについて、あなたもしくは代理人の方(ご家族の方等も拒否を申し出ることが出来る場合があります。詳細については下記の連絡先にお問い合わせください。)にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申し出ください。ただし、すでにデータが解析され、個人を特定できない場合は情報を削除できない場合がありますので、ご了承ください。この場合も診療など病院サービスにおいて患者さんに不利益が生じることはありません。

問い合わせ・連絡先

岡山大学病院 脳神経外科
氏名 春間 純
Tel 086-235-7336(平日:9時~17時)
Fax 086-227-0191

研究組織

主管機関名 岡山大学病院
研究代表者 岡山大学病院 脳神経外科 春間 純

共同研究機関

  • 岡山市立市民病院 脳神経外科(担当者:徳永 浩司)
  • 津山中央病院 脳神経外科(担当者:小林 和樹)
  • 岡山赤十字病院 脳血管内治療外科(担当者:西田 あゆみ)
  • 川崎医科大学総合医療センター 脳神経外科(担当者:目黒 俊成)
  • 広島市立広島市民病院 脳神経外科(担当者:廣常 信之)
  • 香川県立中央病院 脳神経外科(担当者:西廣 真吾)
  • 国立病院機構岩国医療センター 脳神経外科(担当者:伊丹 尚多)
  • 川崎医科大学 脳神経外科1(担当者:菱川 朋人)