研究と臨床をつなげる架け橋でありたい
私は大学院で基礎研究を行いつつ、関連病院で非常勤医師として外来と当直業務を行っています。臨床の場において、研究の成果が予後を向上させた事例を目の当たりにすることもしばしば。双方が密接にかかわっていることを実感でき、さらにモチベーションが高まります。
二刀流は正直大変ですが、研究の視点から臨床を見つめ直すことができ、脳神経外科医としての幅が広がったと感じています。私たちの研究によって得られた知見が臨床に応用されることで、多くの人が救えるかもしれないと思うことが私の原動力になっています。
平野 秀一郎(2017年入局/専攻医)
入局した理由
慣れ親しんだ地元かつ出身校で脳神経外科医として成長したいと考えていました。入局の決め手となったのは学生実習時。指導医に実習内容について相談をした際、真摯に向き合い、丁寧に指導していただいたことが嬉しくて。信頼できる上級医のもとでたくさんの経験が積めることを期待して入局しました。
入局してよかったこと
上級医はベテラン揃いですが、気さくな方ばかり。入局前に抱いていた印象通りでした。手術のストラテジーや術後の治療方針など、若手でも遠慮せずディスカッションできる雰囲気です。術中の所作についてのフィードバックも術後すぐに受けられるので、安心して成長できる環境に感謝しています。
研究について
当科の腫瘍研究グループに属し、脳腫瘍の増殖・浸潤のメカニズム解明や、新規治療の開発を目標とした基礎研究を行っています。私の専門は100種類以上ある脳腫瘍のなかでも最も悪性度の高い膠芽腫。論文作成に向けた長期プランを立て、そこに至るための短期・中期目標を決めて実験に取り組みます。実験はトライ&エラーの繰り返し。何か月も思うような結果が出ないことも…。結果に一喜一憂しすぎることなく、私たちの研究が未来の診断や治療につながることを信じ、諦めずに続けていきたいと思います。
1日の流れ
8:30 | 【出勤】 | 本日実施予定の手技を確認します。余裕をもって取り組めるよう、入念に準備します。 |
9:00 | 【研究】 | 予定に沿って研究を進めます。関連論文を検索したり、論文を作成したり。 |
12:00 | 【昼食】 | 他グループの大学院生や病棟の先生方とランチ。雑談から新たなアイデアが得られることも! |
13:00 | 【研究】 | 午前に引き続き再び研究。 |
17:00 | 【退勤】 | 研究結果をまとめ、明日の計画を立てたら業務終了。 |
入局を考えている方へのメッセージ
他大学の教室との共同実験や大学病院ならではの豊富な症例を基にした研究・学会発表なども行っており、研究者にはありがたい環境です。
長時間の手術や緊急の対応で忙しい上級医に相談しにくいのでは?と心配している方もいるかもしれません。患者さまが麻酔から覚醒するのを待つ間や術後処理後の食事の時間といった、ちょっとした合間にも時間を作って向き合ってくれます。積極的に飛び込めば、必ず受け入れてくれますよ。