先輩の声

菅原 千明

「この患者さまが自分の家族だったら…」

私は地方の病院で臨時職員として勤務しています。その地域では、脳神経外科の診療は週に一度きり。診療だけでなく、併設施設や病棟の相談を受けることもしばしば。頼りにされていることを実感するとともに、命に関わる現場で働いているという責任も感じています。
私は診療の際、自分がこの患者さまの家族なら、医師にどのような対応を望むかを考えるようにしています。親身になって思いを受け止め、根気強く向き合う。患者さまや家族の立場で考えるだけで、医師にできることが見えてくるのではないでしょうか。病気を治療して終わりではなく、退院後の生活にも思いを寄せる医師でありたいと思います。

菅原 千明(2016年入局/専攻医)

入局した理由

私は岡山大学出身で、入学前から脳神経外科を志していました。ただ、卒業後は地元である熊本県での研修・医局入りを考えていたのです。しかし、在学時の実習で当局の先生方の人柄や熱心なご指導にふれるにつれ、ここで脳神経外科医を目指したいという思いが強くなり…。結局、学生のうちに岡山大学脳神経外科への入局を決めることとなりました。

入局してよかったこと

出身校のため学生の頃から顔を覚えていただき、多くの先生がかわいがってくださったと感じています。また、先輩には大学院での生活や入局後の流れなどについての話を聞くことができたので、専攻医になってからの計画が立てやすく、余裕をもって取り組むことができています。

研究について

私の研究対象は「慢性頭部外傷性脳症」。ボクシングやサッカーなどで慢性的に頭部外傷を受けることにより、運動症状や認知症状が生じることが知られています。その危険性についての研究が世界的に進められていますが、発症のメカニズムについては未知の部分が大きいのが現状。私は、慢性頭部外傷・慢性頭部外傷性症候群モデルの作成方法を確立するべく、行動学や組織学、分子生物学といった観点から評価を行っています。
モデルすら確立されていない研究を新たに考え、仲間と相談しながら進めていくワクワク感が研究の醍醐味。コロナ禍で入室が制限され、研究が遅れて焦りを感じた時期も、未知の領域への探求心が私を支えてくれました。

1日の流れ

8:30 【出勤】 子どもを保育園に送った後、研究室へ。
9:00 【実験】 研究計画に沿って実験を行います。動物を用いたり組織染色をしたりしてデータを収集。
12:00 【昼食】 時間の合う研究員といっしょにランチタイム。院内や学生食堂のほか、院外の店に出かけることも。
13:00 【実験】 午前中に終わらなかった実験の続きに取り組みます。予定していた実験も行えました。
17:30 【退勤】 キリのよいところで実験終了。子どもの保育園の迎えがあるのでいつもこの時間に退勤しています。

入局を考えている方へのメッセージ

個人に合わせた専攻医プログラムを組むことができるので、きっと充実した研修になりますよ。
また、多彩で豊富な症例は大学病院ならでは。専門医受験に役立つこと請け合いです。
さまざまなキャラクターの医局員が在籍していますが、気さくで楽しい人ばかり。個人を尊重しつつも、悩んだときには手を差しのべてくれるあたたかい医局です。ますは見学に来てみてください。アットホームな雰囲気を感じてもらえると思いますよ。