「成人びまん性正中グリオーマを対象とした予後に関する観察研究」に関して
はじめに
岡山大学病院脳神経外科では、2017年1月1日~2022年12月31日のあいだに治療を受けられた患者さんを対象に研究を実施しております。内容については下記のとおりとなっております。
尚、この研究についてご質問等ございましたら、最後に記載しております[問い合わせ窓口]までご連絡ください。
研究概要および利用目的
脳の正中構造物(主に視床、脳幹、脊髄など)に発生する「びまん性正中グリオーマ(diffuse midline glioma, H3 K27-altered)」はヒストン遺伝子の変異を認め、成人患者における平均診断年齢は約40歳であり、視床に多いなどの特徴が分かっています。しかし治療に関しては、手術あるいは画像検査による確定診断後に放射線治療や化学療法などを行うことが一般的でありますが、その効果は限定的で標準的な治療方針は未だ定まっていません。
そこで2017年1月1日~2022年12月31日のあいだに視床・脳幹グリオーマの診断、治療がなされた患者さんのデータをカルテから収集し、比較することで国内での治療法や予後を検討し、腫瘍部位や遺伝子変異の有無、治療法と予後の関連を検討します。
研究期間
この研究は、研究機関の長による研究実施許可日から2025年12月31日まで行う予定です。
研究に用いる情報あるいは試料の項目
以下の項目について、既存の情報を取得する。
- 患者背景
性別、年齢、画像検査、手術に関する情報、腫瘍検体の病理診断や遺伝子診断、放射線化学療法などの情報、転帰 - MRI検査
T1強調画像・T2強調画像またはFLAIR法でのaxial像・造影3DT1強調画像axial像・拡散強調画像
情報の利用又は提供を開始する予定日: 2025年4月17日から行う予定です。
研究機関
この研究は以下の研究機関と責任者のもとで実施いたします。
機関(施設)名 | 診療科 | 研究代表者 | 機関(病院)長名 |
---|---|---|---|
【代表研究機関】 | |||
神戸大学医学部附属病院 | 脳神経外科 | 篠山隆司 | 眞庭謙昌 |
【共同研究機関】 | |||
北海道大学病院 | 脳神経外科 | 山口秀 | 渥美達也 |
旭川医科大学病院 | 脳神経外科 | 木下学 | 東信良 |
札幌医科大学附属病院 | 脳神経外科 | 三國信啓 | 渡辺敦 |
岩手医科大学附属病院 | 脳神経外科 | 別府高明 | 小笠原邦昭 |
東北大学病院 | 脳神経外科 | 金森政之 | 張替秀郎 |
国立大学法人山形大学医学部附属病院 | 脳神経外科 | 園田順彦 | 土谷順彦 |
筑波大学附属病院 | 脳神経外科 | 石川栄一 | 原晃 |
国立大学法人千葉大学医学部附属病院 | 脳神経外科 | 松谷智郎 | 横手幸太郎 |
国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院 | 脳脊髄腫瘍科 | 成田善孝 | 島田和明 |
杏林大学医学部付属病院 | 脳神経外科 | 永根基雄 | 近藤晴彦 |
東京女子医科大学病院 | 脳神経外科 | 郡山峻一 | 板橋道朗 |
東京医科歯科大学病院 | 脳神経外科 | 前原健寿 | 藤井靖久 |
東京大学医学部附属病院 | 脳神経外科 | 高見浩数 | 田中栄 |
東京都立駒込病院 | 脳神経外科 | 大谷亮平 | 戸井雅和 |
東海大学医学部附属病院 | 脳神経外科 | 高橋雅道 | 渡辺雅彦 |
公立大学法人横浜市立大学附属病院 | 脳神経外科 | 山本哲哉 | 後藤隆久 |
新潟大学医歯学総合病院 | 脳神経外科 | 棗田学 | 富田善彦 |
国立大学法人金沢大学附属病院 | 脳神経外科 | 中田光俊 | 蒲田敏文 |
山梨大学医学部附属病院 | 脳神経外科 | 埴原光人 | 木内博之 |
浜松医科大学医学部附属病院 | 脳神経外科 | 黒住和彦 | 松山幸弘 |
静岡県立静岡がんセンター | 脳神経外科 | 三矢幸一 | 小野裕之 |
名古屋大学医学部附属病院 | 脳神経外科 | 齋藤竜太 | 小寺泰弘 |
藤田医科大学病院 | 脳神経外科 | 廣瀬雄一 | 白木良一 |
国立大学法人京都大学医学部附属病院 | 脳神経外科 | 荒川芳輝 | 髙折晃史 |
京都府立医科大学附属病院 | 脳神経外科 | 橋本直哉 | 佐和貞治 |
大阪大学医学部附属病院 | 脳神経外科 | 木嶋教行 | 竹原徹郎 |
地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター | 脳神経外科 | 有田英之 | 松浦成昭 |
公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院 | 脳神経外科 | 戸田弘紀 | 秦大資 |
奈良県立医科大学附属病院 | 脳神経外科 | 松田良介 | 吉川公彦 |
岡山大学病院 | 脳神経外科 | 田中將太 | 前田嘉信 |
広島大学病院 | 脳神経外科 | 堀江信貴 | 工藤美樹 |
愛媛大学医学部附属病院 | 脳神経外科 | 國枝武治 | 杉山隆 |
高知大学医学部附属病院 | 脳神経外科 | 上羽哲也 | 花﨑和弘 |
九州大学病院 | 脳神経外科 | 吉本幸司 | 中村雅史 |
佐賀大学医学部附属病院 | 脳神経外科 | 阿部竜也 | 野口満 |
熊本大学病院 | 脳神経外科 | 武笠晃丈 | 馬場秀夫 |
鹿児島大学病院 | 脳神経外科 | 米澤大 | 坂本泰二 |
外部への情報あるいは試料の提供・取得の方法
カルテより4項に記載した項目を、メールにて代表研究機関である神戸大学医学部附属病院へ提供します。CTやMRIなどの画像データはCD-RやDVDに保存して郵送にて提供します。
個人情報の管理方法
プライバシーの保護に配慮するため、患者さんの試料や情報は直ちに識別することがすることができないよう、対応表を作成して管理します。収集された情報や記録は、インターネットに接続していない外部記憶装置に記録し、神戸大学大学院医学研究科 脳神経外学分野/神戸大学医学部附属病院 脳神経外科の鍵のかかる保管庫に保管します。
情報あるいは試料の保存・管理責任者
この研究の保存・管理する責任者は以下のとおりです。
岡山大学病院 脳神経外科 | 責任者:田中將太 |
研究へのデータ提供による利益・不利益
- 利益
本研究にデータをご提供いただく事で生じる個人の利益は、特にありません。 - 不利益
カルテからのデータ収集のみであるため、特にありません。
研究終了後のデータの取り扱いについて
患者さんよりご提供いただきました試料や情報は、研究期間中は神戸大学大学院医学研究科 脳神経外科学分野/神戸大学医学部附属病院 脳神経外科において厳重に保管いたします。ご提供いただいた試料や情報が今後の医学の発展に伴って、他の病気の診断や治療に新たな重要な情報をもたらす可能性があり、将来そのような研究に使用することがあるため、研究終了後も引き続き神戸大学大学院医学研究科 脳神経外科学分野/神戸大学医学部附属病院 脳神経外科で厳重に保管させていただきます。(保管期間は最長で10年間です。)
なお、保存した試料や情報を用いて新たな研究を行う際は、医学倫理委員会の承認を得た後、情報公開文書を作成し、以下のウェブサイトに公開する予定です。
ホームページアドレス | https://www.hosp.kobe-u.ac.jp/soudan/research.html |
ただし、患者さんが本研究に関するデータ使用の取り止めを申出された場合には、申出の時点で本研究に関わる情報は復元不可能な状態で破棄(データの削除、印刷物はシュレッダー等で処理)いたします。
研究成果の公表について
研究成果が学術目的のために論文や学会で公表されることがありますが、その場合には、患者さんを特定できる情報は利用しません。
研究へのデータ使用の取り止めについて
いつでも可能です。取りやめを希望されたからといって、何ら不利益を受けることはありませんので、データを本研究に用いられたくない場合には、下記の[問い合わせ窓口]までご連絡ください。取り止めを希望されたとき、それ以降、患者さんのデータを本研究に用いることはありません。しかしながら、取り止めを希望されたときにすでにデータが匿名化されていたり、研究成果が論文などで公表されていた場合には、患者さんのデータを廃棄できない場合もあります。
研究に関する利益相反について
本研究の研究者はこの研究に関連して開示すべき利益相反(COI)関係になる企業などはございません。
※研究における、利益相反(COI(シーオーアイ):Conflict of Interest)とは「主に経済的な利害関係によって公正かつ適正な判断が歪められてしまうこと、または、歪められているのではないかと疑われかねない事態」のことを指します。具体的には、製薬企業や医療機器メーカーから研究者へ提供される謝金や研究費、株式、サービス、知的所有権等がこれに当たります。このような経済的活動が、臨床試験の結果を特定の企業や個人にとって有利な方向に歪曲させる可能性を判断する必要があり、そのために利害関係を管理することが定められています。
問い合わせ窓口
この研究についてのご質問だけでなく、ご自身のデータが本研究に用いられているかどうかをお知りになりたい場合や、ご自身のデータの使用を望まれない場合など、この研究に関することは、どうぞ下記の窓口までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。
照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先
岡山大学病院 脳神経外科 担当者:石田穣治 | |
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住所 | 〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1 |
TEL | 086-235-7336(平日: am 9:00〜17:00) 086-235-7875(夜間休日) |
FAX | 086-227-0191 |
ishidajo@okayama-u.ac.jp | |
受付時間 | 上記電話番号右記記載 |