Transdural blood supplyを有する脳動静脈奇形の臨床症状、血管構築、治療成績の検討:多施設共同研究
当院において脳動静脈奇形の診断・治療を受けられた方およびそのご家族の方へ
―「Transdural blood supplyを有する脳動静脈奇形の臨床症状、血管構築、治療成績の検討:多施設共同研究」へご協力のお願い―
研究機関名 | 岡山大学病院 |
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研究責任者 | 岡山大学病院 脳神経外科 平松匡文 |
研究の背景および目的
脳動静脈奇形(brain arteriovenous malformation: AVM)は、脳の中で異常な動脈と静脈が毛細血管を介さず直接つながり、ナイダスと呼ばれる異常な血管塊もみられる血管の奇形です。この異常血管は破裂しやすく、破裂すると脳内出血やくも膜下出血を起こし重篤な状態に陥ることがあります。また、未破裂の場合でも、無症状のこともありますが、けいれんや頭痛を生じる原因となることがあります。AVMは通常、脳内の血管である内頚動脈と椎骨脳底動脈系より供血されますが、一部では、脳実質外の硬膜・硬膜外血管からの供血(Transdural blood supply:TDBS)を伴う場合があります。AVMに対する治療法は外科的切除術、脳血管内治療による塞栓術、放射線治療、保存的治療があります。TDBSを伴うAVMの場合、その血管構築の複雑さから治療が困難で合併症の頻度が高いとの報告があり、脳血管内治療の果たす役割が大きいと推測されます。しかし、詳細に検討した報告・データは少ないです。
そこで、本研究では、TDBSを伴うAVMについて多施設の症例を集積し、その血管構築と治療結果について後ろ向きに検討し、その特徴と脳血管内治療およびその他の治療の成績を明確にすることを目的にしています。これにより、TDBSを伴わない例も含めた全AVMに対する治療が安全かつ有効に行われることに寄与すると考えます。
研究対象者
2013年4月1日~2023年3月31日の間に岡山大学病院および共同研究機関でAVMと診断された方約1000名、岡山大学病院脳神経外科においてはAVMと診断された方約70名を研究対象とします。
研究期間
研究機関の長の許可日(2023年9月8日)~2026年4月30日
研究方法
当院においてAVMと診断された方で、研究者が診療情報をもとに診断名、症状、年齢、性別、家族歴、既往歴、手術記録、臨床転帰と、画像検査結果(治療前後の血管造影検査、治療時に撮影された画像、MRI、CT)のデータを選び、TDBSに関するAVMの治療方法や治療成績に関する分析を行います。
使用する情報
この研究に使用する情報として、カルテから以下の情報を抽出し使用させていただきますが、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し使用します。また、あなたの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。
- 診断名、年齢、性別、症状、家族歴、既往歴、臨床転帰
- 手術記録
- 画像検査結果(治療前後の血管造影検査、治療時に撮影された画像、MRI、CT)
外部への情報の提供・共同利用の方法
この研究に使用する情報は、以下の共同研究機関に提供し、共同利用させていただきます。提供の際、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し、提供させていただきます。
①共同して利用される情報の種類 | 画像データ(治療前後、治療時に撮像された画像) 診療情報(診断名、年齢、性別、手術記録など) |
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②共同して利用する者の範囲 | 共同研究者のみ |
③利用する者の利用目的 | 共同研究者の画像判定委員が参加した検討会で集積した画像の解析を行い、その結果を分析し、学会・論文発表するため |
④当該情報の管理について責任を有する者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名 | 名称:近畿大学医学部 脳神経外科・脳卒中センター 住所:大阪府大阪狭山市大野東377-2 代表者:佐藤 徹 |
この研究に使用する情報は、以下の共同研究機関に提供させていただきます。提供の際、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し、提供させていただきます。
近畿大学医学部 脳神経外科・脳卒中センター
情報の保存、二次利用
この研究に使用した情報は、研究の中止または論文発表後10年間、岡山大学病院脳神経外科内で保存させていただきます。電子情報の場合はパスワード等で制御されたコンピューターに保存し、その他の情報は施錠可能な保管庫に保存します。なお、保存した情報を用いて新たな研究を行う際は、倫理委員会にて承認を得ます。
共同利用を行う近畿大学医学部脳神経外科・脳卒中センターにおいては、研究の中止または研究終了後、試料・情報を廃棄し、二次利用は行いません。
研究資金と利益相反
この研究は、日本脳神経血管内治療学会2023年学術集会より資金提供を受けて実施します。
この研究に関して利害関係が想定される企業等で研究責任者や分担者あるいはその家族が活動して収入を得ているようなことはありません。
私たちはこの研究によって特許を得る可能性はありません。また、私たちはこの研究によって、企業からの寄付などの経済的利益を得る可能性があります。この利益は近畿大学医学部脳神経外科・脳卒中センターや岡山大学大学院脳神経外科等に帰属し、個人には帰属しません。
研究計画書および個人情報の開示
あなたのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申し出ください。
また、この研究における個人情報の開示は、あなたが希望される場合にのみ行います。あなたの同意により、ご家族等(父母(親権者)、配偶者、成人の子又は兄弟姉妹等、後見人、保佐人)を交えてお知らせすることもできます。内容についておわかりになりにくい点がありましたら、遠慮なく担当者にお尋ねください。
この研究は氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できるデータをわからない形にして、学会や論文で発表しますので、ご了解ください。
この研究にご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせください。また、あなたの情報が研究に使用されることについて、あなたもしくは代理人の方(ご家族の方等も拒否を申し出ることが出来る場合があります。詳細については下記の連絡先にお問い合わせください。)にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申し出ください。ただし、すでにデータが解析され、個人を特定できない場合は情報を削除できない場合がありますので、ご了承ください。この場合も診療など病院サービスにおいて患者さんに不利益が生じることはありません。
問い合わせ・研究への利用を拒否する場合の連絡先
岡山大学病院 脳神経外科 | |
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氏名 | 平松匡文 |
電話 | 086-235-7336(平日:8時30分~17時00分) |
研究組織
主管機関名 | 熊本大学生命科学研究部画像診断解析学講座 |
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研究代表者 | 熊本大学生命科学研究部画像診断解析学講座 特任教授 清末一路 |
共同研究機関
近畿大学医学部 脳神経外科・脳卒中センター 准教授 | 佐藤 徹 | データ集積・判定会議開催・判定委員 |
熊本大学病院 脳神経外科 助教 | 賀耒 泰之 | 画像・臨床情報提供、判定委員 |
聖路加国際病院 神経血管内治療科 部長 | 新見 康成 | 画像・臨床情報提供、判定委員 |
筑波大学 脳神経外科脳卒中予防・治療学講座 教授 | 松丸 祐司 | 画像・臨床情報提供、判定委員 |
岡山大学病院 脳神経外科 助教 | 平松 匡文 | 画像・臨床情報提供、判定委員 |
東海大学 脳神経外科 助教 | 重松 秀明 | 画像・臨床情報提供、判定委員 |
国立循環器病研究センター 脳神経外科 医長 | 今村 博敏 | 画像・臨床情報提供、判定委員 |
藤田医科大学 脳卒中科 教授 | 中原 一郎 | 画像・臨床情報提供、判定委員 |
久留米大学 放射線医学講座 講師 | 田上 秀一 | 画像・臨床情報提供、判定委員 |
昭和大学藤が丘病院 脳神経外科 教授 | 津本 智幸 | 画像・臨床情報提供、判定委員 |
虎の門病院 脳神経血管内治療科 部長 | 鶴田 和太郎 | 画像・臨床情報提供、判定委員 |
小倉記念病院 脳神経外科 部長 | 波多野 武人 | 画像・臨床情報提供、判定委員 |
広南病院 血管内脳神経外科 部長 | 坂田 洋之 | 画像・臨床情報提供、判定委員 |
永富脳神経外科病院 放射線科 部長 | 堀 雄三 | 画像・臨床情報提供、判定委員 |
京都大学 脳神経外科 准教授 | 石井 暁 | 画像・臨床情報提供、判定委員 |
富山大学 脳神経外科 講師 | 秋岡 直樹 | 画像・臨床情報提供、判定委員 |
神戸中央市民病院 脳神経外科 部長 | 太田 剛史 | 画像・臨床情報提供、判定委員 |
新潟大学 脳神経外科 講師 | 長谷川 仁 | 画像・臨床情報提供、判定委員 |
大阪大学医学部 脳神経外科 特任助教 | 尾崎 友彦 | 画像・臨床情報提供、判定委員 |
トロント大学 放射線科 教授 | Timo Krings | 画像・臨床情報提供、判定委員 |