当院において大脳鎌部及び前頭蓋底部の髄膜腫、もやもや病の治療を受けられた方およびそのご家族の方へ ―「大脳鎌部及び前頭蓋底部の髄膜腫、もやもや病における前大脳動脈硬膜枝の関与に 関する検討:多機関共同研究」へご協力のお願い― 研究機関名 岡山大学病院 研究責任者 岡山大学病院 脳神経外科 助教 平松匡文 前大脳動脈は主に前頭葉の脳に血流を送りますが、脳を包む硬膜である大脳鎌や前頭蓋底の硬膜に血流が豊富な病変が発生した場合に、その病変に前大脳動脈から血液が送られることがあります。こういった、脳動脈から硬膜に繋がる血管のことを脳動脈の硬膜枝と呼びますが、前大脳動脈の硬膜枝はほとんど存在が知られておらず、今までの論文での報告はごくわずかです。 髄膜腫は頭蓋内の硬膜から発生する良性脳腫瘍であり、その中の一部が大脳鎌や前頭蓋底の硬膜から発生します。一般的に髄膜腫は脳動脈ではなく、硬膜に血液を送る血管から血液を受け取りますが、大脳鎌や前頭蓋底の硬膜に発生した髄膜腫の場合は、脳動脈の1つである前大脳動脈から血液を与えられることも多いです。ただ、前大脳動脈から血液を送る際の動脈の詳細は分かっていません。 また、もやもや病は内頚動脈終末部が徐々に狭くなり、最終的に閉塞して脳梗塞などを来す病気であり、進行すると自然に硬膜動脈から脳表の動脈への血管の繋がりが発達します。内頚動脈から分岐する前大脳動脈の血流が悪化した場合に、大脳鎌や前頭蓋底の硬膜血管と前大脳動脈の間に新たな繋がりが見られることがありますが、その場合にどのように繋がるかといった詳細は分かっていません。 本研究の目的は、大脳鎌や前頭蓋底の硬膜に発生した髄膜腫に血液を送る大脳動脈からの硬膜枝と、もやもや病における大脳鎌や前頭蓋底の硬膜から前大脳動脈への血管の繋がりとしての硬膜枝を画像上で解析し、この硬膜枝の走行や前大脳動脈との関係などの特徴を明らかにすることです。 2013年1月1日~2021年12月31日の間に岡山大学病院および共同研究機関で大脳鎌部と前頭蓋底部髄膜腫、もやもや病の脳血管撮影検査を受けられた方 約100名、岡山大学病院脳神経外科においては大脳鎌部と前頭蓋底部髄膜腫、もやもや病の脳血管撮影検査を受けられた方 約40名を研究対象とします。 倫理委員会承認後(2022年5月20日)~2022年12月31日 当院において大脳鎌部と前頭蓋底部髄膜腫、もやもや病の脳血管撮影検査を受けられた方で、研究者が診療情報をもとに脳血管撮影検査のデータを選び、前大脳動脈から大脳鎌と前頭蓋底硬膜への硬膜枝に関する分析を行い、前大脳動脈の硬膜枝の走行や前大脳動脈との関係について調べます。また、年齢・性別・症状やMRI、脳血管撮影検査の検査データを参考に、前大脳動脈からの硬膜枝が認められる症例の背景を検討します。 この研究に使用する情報として、カルテから以下の情報を抽出し使用させていただきますが、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し使用します。また、あなたの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。 ・ 年齢、性別、症状 ・ MRI、脳血管撮影検査の検査データ この研究に使用する情報は、以下の共同研究機関に提供させていただきます。提供の際、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し、提供させていただきます。 大分大学放射線部 〒879-5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘1丁目1番地 TEL 097-586-6820 久留米大学放射線講座 〒830-0011 福岡県久留米市旭町67 TEL 0942-31-7576 この研究に使用した情報は、研究の中止または研究終了後または研究結果の最終の公表後10年間、各共同研究機関で厳重に保管されます。岡山大学病院では脳神経外科(臨床研究棟9階脳神経外科医局 准教授室内)で保管させていただきます。電子情報の場合はパスワード等で制御されたコンピューターに保存し、その他の情報は施錠可能な保管庫に保存します。 なお、保存した情報を用いて新たな研究を行う際は、倫理委員会にて承認を得ます。廃棄の際には、個人情報に十分注意して、電子情報はコンピューターから完全抹消し、紙媒体(資料)はシュレッダーにて裁断し廃棄します。 あなたのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申し出ください。 また、この研究における個人情報の開示は、あなたが希望される場合にのみ行います。あなたの同意により、ご家族等(父母(親権者)、配偶者、成人の子又は兄弟姉妹等、後見人、保佐人)を交えてお知らせすることもできます。内容についておわかりになりにくい点がありましたら、遠慮なく担当者にお尋ねください。 この研究は氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できるデータをわからない形にして、学会や論文で発表しますので、ご了解ください。 この研究にご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせください。また、あなたの情報が研究に使用されることについて、あなたもしくは代理人の方(ご家族の方等も拒否を申し出ることが出来る場合があります。詳細については下記の連絡先にお問い合わせください。)にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申し出ください。ただし、すでにデータが解析され、個人を特定できない場合は情報を削除できない場合がありますので、ご了承ください。この場合も診療など病院サービスにおいて患者さんに不利益が生じることはありません。 <問い合わせ・連絡先> 岡山大学病院 脳神経外科 氏名:平松匡文 電話:086-235-7336(平日:8時30分~17時15分) ファックス:086-227-0191 <研究組織> 主管機関名 大分大学医学部附属病院 放射線部 研究代表者 大分大学医学部附属病院 放射線部 清末一路 共同研究機関 岡山大学病院 脳神経外科 平松匡文 久留米大学 放射線講座 田上秀一1) 研究の背景および目的
2) 研究対象者
3) 研究期間
4) 研究方法
5) 使用する情報
6)
外部への情報の提供
7) 情報の保存、二次利用
8) 研究計画書および個人情報の開示