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<患者の皆様へ>

最先端の機器・技術を駆使した安全で確実な脳神経外科手術を行っており、現在、年間の手術件数は約600例に達しています。10年前は年間約300件でしたので、現在はその2倍と言うことになります。手術件数は年々増加しており、良好な手術成績が患者の皆様の評価をいただいていることが大きな要因と存じます。当科の手術室はインテリジェント手術室とよばれ、写真のように多くのモニター類が設置され、より安全な手術ができるよう配慮しています。

脳腫瘍の手術:術中ナビゲーションシステム、覚醒下手術、脳機能モニタリングを駆使し、高い摘出率を得ています。多くの良性脳腫瘍は、手術による完治を目指しています。下垂体腺腫では神経内視鏡を用いてより低侵襲な手術を行っています。新しい方法として、山陽放送イブニングニュースにも取り上げられました。悪性脳腫瘍では、術後の化学療法や放射線療法を腫瘍内科、放射線科などと共同で行っています。小児脳腫瘍も多く扱っており、小児科との協力により、良好な成績を得ています。

脳血管障害の手術:脳動脈瘤の手術では、開頭によるクリッピング術と血管内から治療するコイル塞栓術を、症例ごとに適切な判断をして行っています。読売新聞の医療ルネッサンスに当科の治療方針が掲載されています。頸部頸動脈狭窄症に対しては、狭窄を起こしているプラークの性状により、頸動脈血栓内膜剥離術(CEA)と頸動脈ステント留置術(CAS)を適宜使い分けています。また、当科は多くのもやもや病患者さんの治療を行っており、中心となっているのが、血管吻合術です。いずれの脳血管障害の手術も良好な治療成績です。

パーキンソン病に対する脳深部刺激療法・脊髄刺激療法:当科は、パーキンソン病に対する手術について、教室開設以来40年以上にわたって行ってきており、中国四国のみならず全国から多くの患者さんが来られています。運動障害の著明な重症のパーキンソン病患者さんには脳深部刺激療法を、パーキンソン病に伴う腰痛や下肢痛の患者さんには脊髄刺激療法を行っています。

三叉神経痛・顔面けいれんの手術:片側の顔面の痛みやピクつきは、脳幹部での三叉神経や顔面神経が小さな血管によって圧迫をうけることによって起こります。最新技術を駆使したMRI画像によってその原因が血管の圧迫によることが判明すると、その血管を手術で動かすことによって完治が期待できます。当科ではこの手術を多く行っており、90%以上の完治率です。

小児脳神経外科:小児の脳腫瘍やもやもや病については、すでに述べました。それに加えて、小児では、生まれつき脳室が大きい水頭症や、頭蓋骨が早い時期に閉じてしまう頭蓋骨早期癒合症など、特殊な病気があります。これらに対して脳室腹腔シャント術、第3脳室底開窓術、頭蓋形成術などを行っています。特に頭蓋骨早期癒合症については、岡山大学病院に小児頭蓋顔面形成センター(http://www.okayama-u.ac.jp/user/hos/ocfc.html)を設置し、形成外科や矯正歯科と協力して総合的な治療を行っています。

てんかんの手術:岡山大学小児神経科(http://www.okayama-u.ac.jp/user/cneuro)は全国で最も多くのてんかんの患者さんを治療している教室の一つです。その中で外科治療によっててんかんが良くなる患者さんがかなりおられ、当科ではこれらの患者さんに外科治療を行い、大部分の患者さんが発作が消えたり、少なくなるなどの治療効果をあげています。

脊髄・脊椎手術:両手や両足がしびれたり、使いにくくなる頸椎症や腰椎脊椎管狭窄症を中心に、脊髄・脊椎手術を多く行っています。顕微鏡下に丁寧な手術を行っており、合併症はほとんどなく前述の症状は術後消失ないし軽減します。

<岡山大学あるいは関連病院での研修希望の皆様へ>

2011年4月から日本脳神経外科学会では脳神経外科専門医になるための新しい研修プログラムを開始しました。一つの基幹施設のもとに、研修施設と関連施設が集まり、一つのプログラムを形成する、というものです。脳神経外科の専門医資格を得るためには、全国に110ある研修プログラムのどれかに属し、通算4年間の研修プログラムをこなす必要があります。 岡山大学脳神経外科では、岡山大学脳神経外科を基幹施設とし、研修施設が24、関連施設が11と全国最大規模の研修プログラムを作ることができました。これは、従来より岡山大学脳神経外科が多くの関連病院と連携して若い研修医のトレーニングを行ってきたことの反映です。将来、脳神経外科専門医を目指す医学生の皆さん、初期研修医の皆さんに十分な研修をしていただける施設が集まっていますので、どうぞ希望の方は、岡山大学脳神経外科(neuro104@md.okayama-u.ac.jp)までご連絡ください。

岡山大学脳神経外科の入局者は、2008年4名、2009年4名、2010年9名、2011年6名、2012年4名、2013年6名、2014年2名、2015年7名、2016年5名、2017年9名、2018年5名、2019年12名、2020年8名、2021年4名です。





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