2017年5月1日~2018年10月31日の間に
当科において急性期脳梗塞の治療を受けられた方へ
―「ICTのリアルタイム性を生かした医師対医師による遠隔医療の効果
に関する調査研究」へご協力のお願い―
研究機関名 岡山大学病院
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
研究機関長 岡山大学病院長 金澤 右
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科長 那須保友
研究責任者 岡山大学病院 脳神経外科 教授 伊達 勲
研究分担者 岡山大学病院 脳神経外科 講師 菱川朋人
岡山大学病院 IVRセンター 准教授 杉生憲志
岡山大学病院 脳神経外科 助教 平松匡文
1.研究の概要
1) 研究の背景および目的
医療分野における情報の活用として、種々の取り組みが行われこれまでは主として慢性期疾患に主眼が置かれ適切な個人情報管理のもと、慎重に進められて一定の成果が出ています。多くの都道府県で地域医療連携ネットワークが整備されていますが、情報を利用する際には個人情報管理の観点から本人または代諾者等の同意書を取得したのちに、手続き・設定等を行い共有/連携が可能となるのが一般的です。
しかしながら、リアルタイム性が求められる状況ではより簡便な情報共有の形が求められています。
スマートフォン等の情報端末の普及によって、必要なときにはいつでもネットワークに接続した端末を持ち歩くことが可能になっており、リアルタイム性についても利用が可能になってきました。
このスマートフォン等の情報端末のICT(情報通信技術)のメリットを生かすため、医療機関の間で検査結果や画像等の患者情報共有や、他の医療機関への搬送の必要性や治療方針などの相談できる体制構築(ネットワーク)が有効であることが言われています。
また、脳卒中診断・治療においては頭部のCT/MRI等の医用画像を取得できれば緊急を要する主な症状を把握出来ることから、医用画像との親和性が高く、専門医がネットワークを活用して他の医師の診療の支援等を実施する遠隔医療が期待されます。
以上のような背景を踏まえこの研究は、急性期脳梗塞に対する再開通療法を行った患者さんを対象に、スマートフォン等のICTシステムを用いた遠隔診断・治療補助システムが診断・治療までの時間短縮および治療後経過改善に有用であるかどうか明らかにすることを目的として行います。
2) 予想される医学上の貢献及び研究の意義
具体的なICT活用の脳卒中治療に対するメリットとしては、二次搬送する患者さんに対して、搬送先病院のモバイルに血栓溶解療法または血管内治療に関する情報をリアルタイム送信しておくことにより、治療の適用判断や、実施の準備が患者さんが二次搬送先病院に到着する前に実施可能になります。
このことにより、搬送先病院到着後から治療開始までの時間が短縮され、脳卒中治療におけるタイムリミットに間に合う患者さんが増えることが見込まれます。
また、最初の病院への搬送の場合においても、医療リソース(設備・従事者等資源)の少ない医療機関や、リソースの少ない時間帯に血栓溶解療法や血管内治療の適応のある患者さんが搬送された場合に、脳卒中の専門の知識のある医師にリアルタイムに連絡をとるとともに、治療の意思決定に必要な情報を提供し、治療の迅速化に寄与することも可能になると考えられます。
2.研究の方法
1) 研究対象者
2017年5月1日~2018年10月31日の間に岡山大学病院および共同研究機関で急性期脳梗塞の治療を受けられた方400名、岡山大学病院脳神経外科においては治療を受けられた方3名を研究対象とします。
2) 研究期間
2019年2月1日~2019年3月31日
3) 研究方法
2017年5月1日~2018年10月31日の間に当院において急性期脳梗塞の治療を受けられた方で、研究者が診療情報をもとに登録日・担当医氏名・年齢・性別・既往症・来院時所見・使用したモバイルICT機種名等(モバイルICT機器使用患者さんのみ)・人的関連項目(医療従事者人数等)・再開通療法・転帰・医療費のデータを選び、モバイルICT機器の導入前後での「病院到着から治療開始までの時間」および「脳卒中30日後および90日後の転帰」に関する分析を行い、モバイルICT機器を用いた遠隔診断・治療補助システムが診断・治療までの時間短縮および治療後経過改善に有用であるかどうかについて調べます。
4) 使用する情報
この研究に使用する情報として、カルテから以下の情報を抽出し使用させていただきますが、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し使用します。また、あなたの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。
・登録日、担当医氏名、年齢、性別、既往症、来院時所見
・使用したモバイルICT機種名等(モバイルICT機器使用患者さんのみ)
・人的関連項目(医療従事者人数等)、再開通療法、転帰、医療費
5) 外部への情報の提供
この研究に使用する情報は、以下の共同研究機関に提供させていただきます。提供の際、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し、提供させていただきます。
一般社団法人日本脳神経外科学会 事務局
研究総括責任者 一般社団法人日本脳神経外科学会 理事長 新井 一
〒113-0033 東京都文京区本郷5-25-16 石川ビル6階
Tel: 03-3812-6226 Fax: 06-3812-2090
6) 情報の保存、二次利用
この研究で取り扱う情報等は、匿名化した上で、研究・解析に使用します。
匿名化の方法については、患者さんの氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報の含まれない独自の符号を付けます。当該情報が漏れないように、この符号をつけた際の対応表は、岡山大学病院脳神経外科内のパスワード等で制御されたインターネットに接続できないコンピューターで保管します。
この研究に使用した情報は、研究の中止または研究終了後5年間、岡山大学病院脳神経外科内で保存させていただきます。電子情報の場合はパスワード等で制御されたコンピューターに保存し、その他の情報は施錠可能な保管庫に保存します。なお、保存した情報を用いて新たな研究を行う際は、倫理委員会にて承認を得ます。
7) 研究計画書および個人情報の開示
あなたのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申し出ください。
また、この研究における個人情報の開示は、あなたが希望される場合にのみ行います。あなたの同意により、ご家族等(父母(親権者)、配偶者、成人の子又は兄弟姉妹等、後見人、保佐人)を交えてお知らせすることもできます。内容についておわかりになりにくい点がありましたら、遠慮なく担当者にお尋ねください。
この研究は氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できるデータをわからない形にして、学会や論文で発表しますので、ご了解ください。
この研究にご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。また、あなたの試料・情報が研究に使用されることについて、あなたもしくは代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、2019年3月27日までの間に下記の連絡先までお申し出ください。この場合も診療など病院サービスにおいて患者の皆様に不利益が生じることはありません。
<問い合わせ・連絡先>
岡山大学病院 脳神経外科
氏名:菱川朋人
電話:086-235-7336(平日:8時30分~17時-)
ファックス:086-227-0191
<研究組織>
研究代表機関名 岡山大学 脳神経外科
研究総括責任者 一般社団法人日本脳神経外科学会 理事長 新井 一
研究分担責任者
北海道大学 脳神経外科 教授 寶金清博
大阪市立大学 脳神経外科 教授 大畑健治
広島大学 脳神経外科 教授 栗栖 薫
川崎医科大学 脳神経外科 教授 宇野昌明
熊本大学 脳神経外科 教授 武笠晃丈
岩手医科大学 脳神経外科 教授 小笠原邦昭
共同研究者・参加施設
北海道大学 脳神経外科 教授 寶金清博
岩手県立中央病院 脳神経外科 科長 木村尚人
筑波大学 脳卒中予防・治療学 教授 松丸祐司
筑波大学水戸地域医療教育センター 教授 柴田 靖
水戸済生会総合病院 脳神経外科 主任部長 井口雅博
東京慈恵会医科大学 脳神経外科 教授 村山雄一
金沢大学 脳神経外科 教授 中田光俊
岐阜大学 脳神経外科 講師 榎本由貴子
藤田医科大学 脳神経外科 助教 中原一郎
滋賀医科大学 脳神経外科 講師 辻 篤司
大阪市立大学 脳神経外科 教授 大畑建治
和歌山県立医科大学 脳神経外科 教授 中尾直之
兵庫医科大学 脳神経外科 教授 吉村紳一
関西ろうさい病院 第三脳神経外科 部長 豊田真吾
北播磨総合医療センター 脳神経外科 部長 三宅 茂
岡山大学 脳神経外科 教授 伊達 勲
広島大学 脳神経外科 教授 栗栖 薫
山口大学 脳神経外科 教授 鈴木倫保
福岡大学 筑紫病院 教授 東登志夫
健和会大手町病院 脳神経外科 部長 篠山瑞也
宮崎大学 脳神経外科 講師 大田 元
出水総合医療センター 脳神経外科 部長 工藤真励菜