2008年1月1日~2018年9月30日の間に当科において
頚動脈ステント留置術を受けられた方及びそのご家族の方へ
―「過灌流症候群ハイリスク症例に対するstaged angioplastyの
有効性と安全性の検討」へ
ご協力のお願い―
研究機関名 岡山大学病院
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
研究機関長 岡山大学病院長 金澤 右
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科長 那須保友
研究責任者 岡山大学病院 IVRセンター 准教授 杉生憲志
研究分担者 岡山大学病院 脳神経外科 教授 伊達 勲
岡山大学病院 脳神経外科 講師 菱川朋人
岡山大学病院 脳神経外科 助教 平松匡文
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 生体制御科学専攻 脳神経制御学講座
脳神経外科学分野 大学院生(医師) 木谷尚哉
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 生体制御科学専攻 脳神経制御学講座
脳神経外科学分野 大学院生(医師) 髙橋 悠
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 生体制御科学専攻 脳神経制御学講座
脳神経外科学分野 大学院生(医師) 村井 智
1.研究の概要
1) 研究の背景および目的
現在、頚部内頚動脈狭窄症による一過性脳虚血発作や脳梗塞を予防するための治療として、カテーテルによる頚動脈ステント留置術が広く行われています。ステント留置後の合併症の一つとして、術後に血流が過剰となり、脳内出血やくも膜下出血などをきたし得る過灌流症候群が知られています。岡山大学脳神経外科では、術前にSPECTという脳血流の予備力を測定する画像検査を行っており、過灌流症候群のリスクの評価を行っています。2008年以降は過灌流症候群のリスクが高いと判断した患者さんに対しては、緩徐に血流を改善させる目的で一期的にステント留置を行わず、一期目にバルーン拡張術のみを行い、2週間〜1ヶ月後にステント留置術を行うstaged angioplastyという手法で治療を行っています。
本研究では2008年1月から2018年9月までに頚動脈ステント留置術を行った患者さんを対象として、staged angioplastyを行った群と行わなかった群で過灌流症候群の発生頻度や治療に伴う合併症の頻度、退院時と30日後の神経学的な転帰について比較する事で、過灌流症候群ハイリスク症例に対するstaged angioplastyの有効性と安全性について検証することが目的です。
2) 予想される医学上の貢献及び研究の意義
頚動脈ステント留置後の過灌流症候群による頭蓋内出血は死に至る可能性がある重大な合併症です。術前に過灌流症候群のリスクが高い症例を判定し、staged angioplastyを選択する事で、一期的なステント留置術と比較して過灌流症候群の発生頻度が低下し、治療に伴う合併症が増加しなければ、本邦でのハイリスク症例に対する治療指針の指標となり得ます。
2.研究の方法
1) 研究対象者
2008年1月1日~2018年9月30日の間に岡山大学病院脳神経外科において頚部内頚動脈狭窄症に対して頚動脈ステント留置術の治療を受けられた方185名を研究対象とします。
2) 研究期間
2019年1月10日~2019年12月31日
3) 研究方法
2008年1月1日~2018年9月30日の間に当院において頚部内頚動脈狭窄症と診断され頚動脈ステント留置術の治療を受けられた方で、研究者が診療情報をもとに年齢、性別、既往歴、入院時・退院時・術後30日の神経所見・mRS score、術前・術後のMRI画像所見、SPECT画像所見、血管撮影所見、治療情報、過灌流症候群を含めた合併症に関するデータを選び、治療成績や安全性について調べます。
4) 使用する情報
この研究に使用する情報として、カルテから以下の情報を抽出し使用させていただきますが、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し使用します。また、あなたの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。
・ 年齢、性別、既往歴、入院時・退院時・術後30日の神経所見・mRS score
・ 術前・術後のMRI画像所見、SPECT画像所見、血管撮影所見
・ 治療情報、過灌流症候群を含めた周術期合併症
5) 情報の保存、二次利用
この研究で取り扱う情報等は、匿名化した上で、研究・解析に使用します。
匿名化の方法については、患者さんの氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報の含まれない独自の符号を付けます。当該情報が漏れないように、この符号をつけた際の対応表は、岡山大学病院脳神経外科内のパスワード等で制御されたインターネットに接続できないコンピューターで保管します。
この研究に使用した情報は、研究の中止または研究終了後5年間、岡山大学病院脳神経外科内で保存させていただきます。電子情報の場合はパスワード等で制御されたコンピューターに保存し、その他の情報は施錠可能な保管庫に保存します。なお、保存した情報を用いて新たな研究を行う際は、倫理委員会にて承認を得ます。
一定の期間保存が必要な理由は、研究終了後も論文作成やデータ確認を行う事が想定されるためです。
廃棄の際には、個人情報に十分注意して、電子情報はコンピューターから完全抹消し、紙媒体(資料)はシュレッダーにて裁断し廃棄します。
6) 研究計画書および個人情報の開示
あなたのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申し出ください。
また、この研究における個人情報の開示は、あなたが希望される場合にのみ行います。あなたの同意により、ご家族等(父母(親権者)、配偶者、成人の子又は兄弟姉妹等、後見人、保佐人)を交えてお知らせすることもできます。内容についておわかりになりにくい点がありましたら、遠慮なく担当者にお尋ねください。
この研究は氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できるデータをわからない形にして、学会や論文で発表しますので、ご了解ください。
この研究にご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。また、あなたの情報が研究に使用されることについて、あなたもしくは代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、2019年1月31日までの間に下記の連絡先までお申し出ください。この場合も診療など病院サービスにおいて患者の皆様に不利益が生じることはありません。
<問い合わせ・連絡先>
研究事務局
岡山大学病院 脳神経外科
氏名:村井 智
電話:086-235-7336(平日:8時30分~17時15分)
ファックス:086-227-0191