脊髄実質中に脳脊髄液が貯留し空洞を形成した状態(図 黄色矢印)で、脊髄実質は紙のように薄くなり(図 青矢印)上肢の痛み、感覚障害、歩行障害などの症状が出現します。

 キアリ奇形という異常(小脳の一部が大後頭孔に入り込む異常。図 矢頭)と共に認められることが多く、その他、外傷後、癒着性くも膜炎の後に認められることもあります。

 治療には手術以外に有効な方法は無く、大後頭孔減圧術、空洞-くも膜下腔短絡術などがあります。

 

 大後頭孔減圧術:キアリ奇形を伴う脊髄空洞症に対して行われます。大後頭孔部(図5矢頭)での脳脊髄液の通過障害が原因と考えられていますので、同部の骨を取り除き脳脊髄液が自由に流れるようにする手術です。

 

 空洞-くも膜下腔短絡術:上記手術が無効であった場合や、外傷性の空洞症などに対して行われます。空洞内に直接細い管を入れ、空洞内の脳髄液を他のところに流すようにするものです。



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