転移性腫瘍を除き脊髄腫瘍のほとんどは良性腫瘍です。従って治療は手術による摘出が中心となります。しかし、脊髄や神経根など非常に重要な組織に接しておりその摘出には顕微鏡下での作業が必要です。また、神経機能を損傷しないように手術中にさまざまなモニタリング(手術中に神経機能をチェックすること)が必要です。

 

脊髄腫瘍の分類

1.硬膜外腫瘍:硬膜の外に発症する腫瘍(転移性腫瘍など)

手術によって摘出しますが、転移性腫瘍では放射線療法や化学療法が必要です。

 

2.硬膜内髄外腫瘍:硬膜内で脊髄の外に発症する腫瘍(髄膜腫、神経鞘腫など)

良性腫瘍が多く、手術によって摘出されれば治癒が期待できます。


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3.硬膜内髄内腫瘍:脊髄内に発生した腫瘍(星細胞腫、上衣腫、血管芽腫など)

その摘出に際しては繊細な操作が要求されます。上衣腫、血管芽腫の場合、多くは手術により全摘出が可能です。星状細胞腫では境界が不明瞭であることが多く、一部を除いて全摘出は困難です。



頚髄に発症した上衣腫のMRI(垂直に切り取った断面)

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