2009年4月1日~2019年3月31日の間に
当科において脳動静脈奇形・硬膜動静脈瘻・脊髄動静脈シャント疾患の治療を受けられた方、
およびそのご家族の方へ
―「岡山県における脳脊髄動静脈シャント疾患の悉皆調査」へご協力のお願い―
研究機関名 岡山大学病院
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
研究機関長 岡山大学病院長 金澤 右
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科長 那須 保友
研究責任者 岡山大学病院 脳神経外科 助教 平松 匡文
研究分担者 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 疫学・衛生学分野 助教 鈴木 越治
岡山大学病院 IVRセンター 准教授 杉生 憲志
岡山大学病院 脳神経外科 講師 安原 隆雄
岡山大学病院 脳神経外科 講師 菱川 朋人
岡山大学病院 脳神経外科 医員(大学院生) 木谷 尚哉
岡山大学病院 脳神経外科 医員(大学院生) 高橋 悠
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 生体制御科学専攻 脳神経制御学講座
脳神経外科学分野 大学院生(医師) 村井 智
岡山大学病院 高度救命救急センター 医員 西 和彦
岡山大学病院 脳神経外科 医員(レジデント) 山岡 陽子
岡山大学病院 脳神経外科 教授 伊達 勲
1.研究の概要
1) 研究の背景および目的
頭蓋内および脊椎脊髄の動静脈シャント疾患には脳脊髄動静脈奇形、硬膜動静脈瘻、脳脊髄動静脈瘻等という病気が含まれており、比較的稀ですが、血管内治療や外科手術等の外科的治療を行うことによって脳卒中や脊髄障害を予防することのできる、脳神経外科において重要な病気です。脳動静脈奇形の罹患率は年間10万人あたり、1.1から1.2人と報告されています。一方、硬膜動静脈瘻の罹患率は年間10万人あたり0.1-0.5人と報告されています。脊椎脊髄のシャント疾患の罹患率が検討された報告はありません。岡山県において、硬膜動静脈瘻の罹患率は上記の報告よりも高く、診断機器の発達や検診の機会が増加したことにより罹患率が経時的に上昇している可能性があります。
岡山県における、頭蓋内および脊椎脊髄の動静脈シャント疾患は、岡山大学病院・倉敷中央病院・川崎医科大学附属病院を中心とした、比較的限定された施設において診断・治療が行われています。これらの施設による多施設共同で研究を行うことにより、脳脊髄に生じる動静脈シャント疾患に関するデータを集めて、岡山県内の疫学的な調査を行うことができると考えています。
本研究では、岡山県における、脳脊髄動静脈奇形、頭蓋内および脊椎脊髄の硬膜動静脈瘻等のシャント疾患の罹患率を算出し、部位別頻度や重症度、症候の特徴を明らかにすることを目的としています。また、外科的治療手法と治療成績の内容を検討することで、現在の治療方針の妥当性を検証します。
2) 予想される医学上の貢献及び研究の意義
研究の意義として、岡山県下の多施設での共同研究により、脳脊髄に生じる動静脈シャント疾患に関するデータを収集し、岡山県内の疫学的調査を行うことで、現在の岡山県における脳脊髄動静脈シャント疾患のより正確な罹患率を算出でき、脳脊髄シャント疾患に関する今後の本邦における全国的な、もしくは海外での疫学的調査の基礎となるデータを提供することができると考えられます。また、治療内容・治療結果を含む臨床データを集積することで、現在の治療方針の妥当性を検証することができ、今後の治療方針が変わる可能性があります。
2.研究の方法
1) 研究対象者
2009年4月1日~2019年3月31日の間に岡山大学病院および共同研究機関において、検査もしくは治療目的に入院を受けられた方約500名、岡山大学病院脳神経外科においては入院を受けられた方約200名を研究対象とします。
2) 研究期間
2019年5月17日~2020年3月31日
3) 研究方法
2009年4月1日~2019年3月31日の間に当院において、脳脊髄動静脈シャント疾患(脳動静脈奇形、頭蓋内硬膜動静脈瘻、脳動静脈瘻、脊髄動静脈奇形、脊髄辺縁部動静脈瘻、脊髄硬膜動静脈瘻、脊髄硬膜外動静脈瘻)の診断もしくは治療を目的とした入院を受けられた方で、研究者が診療情報をもとに、年齢・性別・住所(市町村まで)・既往歴・家族歴・発症形式・血液検査所見・画像所見・治療方法・治療結果・治療の合併症・予後・治療後の再発再治療などのデータを選び、罹患率と、発症時の重症度、治療後の予後に関する因子を調べます。
4) 使用する情報
この研究に使用する情報として、カルテから以下の情報を抽出し使用させていただきますが、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除します。また、あなたの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。
・ 年齢、性別、住所(市町村まで)、既往歴、家族歴、発症形式
・ 血液検査データ(血小板数、炎症反応、凝固機能)
・ MRIや血管造影検査所見
・ 外科的治療で用いた方法
・ 治療結果、治療に伴う合併症、予後、再発・再治療の有無と内容
5) 外部への情報の提供
この研究に使用する情報は、以下の共同研究機関に提供いたします。提供の際、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除します。
・ 倉敷中央病院 脳神経外科(710-0052 岡山県倉敷市美和1丁目1-1)
・ 川崎医科大学附属病院 脳神経外科(701-0014 岡山県倉敷市松島577)
6) 情報の保存、二次利用
この研究に使用した情報は、研究の中止または研究終了後5年間、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 脳神経外科(臨床研究棟9階脳神経外科医局 准教授室)内および共同研究機関である倉敷中央病院脳神経外科・川崎医科大学脳神経外科で保存させていただきます。電子情報の場合はパスワード等で制御されたコンピューターに保存し、その他の情報は施錠可能な保管庫に保存します。一定の期間保存が必要な理由は、研究終了後も論文作成やデータ確認を行う事が想定されるためです。
なお、保存した情報を用いて新たな研究を行う際は、倫理委員会にて承認を得ます。
廃棄の際には、個人情報に十分注意して、電子情報はコンピューターから完全抹消し、紙媒体(資料)はシュレッダーにて裁断し廃棄します。
7) 研究計画書および個人情報の開示
あなたのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申し出ください。
また、この研究における個人情報の開示は、あなたが希望される場合にのみ行います。あなたの同意により、ご家族等(父母(親権者)、配偶者、成人の子又は兄弟姉妹等、後見人、保佐人)を交えてお知らせすることもできます。内容について分かりにくい点がありましたら、遠慮なく担当者にお尋ねください。
この研究は、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できるデータをわからない形にして、学会や論文で発表します。
この研究にご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。また、あなたの情報が研究に使用されることについて、あなたもしくは代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、2019年10月31日までに下記の連絡先までお申し出ください。この場合も診療など病院サービスにおいて患者の皆様に不利益が生じることはありません。
<問い合わせ・連絡先>
岡山大学病院 脳神経外科
氏名:平松匡文
電話:086-235-7336(平日:8時30分~17時15分)
ファックス:086-227-0191
<研究組織>
研究代表機関名 岡山大学病院
研究代表責任者 岡山大学病院 脳神経外科 助教 平松匡文
共同研究機関(情報の提供・データの解析を行う機関)
倉敷中央病院 脳神経外科 部長 石橋良太
川崎医科大学附属病院 脳神経外科 大学院生(医師) 高井洋樹
共同研究機関(情報の提供のみを行う機関)
岡山市立市民病院 脳神経外科 主任部長 徳永浩司
津山中央病院 脳神経外科 部長 小林和樹
岡山赤十字病院 脳血管内治療外科 部長 西田あゆみ
川崎医科大学総合医療センター 脳神経外科 副部長 目黒俊成
岡山旭東病院 神経内科 主任医長 河田幸波