2015年1月1日~2019年12月31日の間に
当科において脳脊髄の血管障害に対する脳神経血管内治療を受けられた方、およびそのご家族の方へ
―「日本国内の脳神経血管内治療に関する登録研究4:
Japanese Registry of Neuroendovascular Therapy 4 (JR-NET4)」へご協力のお願い―
研究機関名 岡山大学病院
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
研究機関長 岡山大学病院長 金澤 右
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科長 大塚愛二
研究責任者 岡山大学病院 IVRセンター 准教授 杉生 憲志
研究分担者 岡山大学病院 脳神経外科 助教 平松 匡文
岡山大学病院 脳神経外科 講師 菱川 朋人
岡山大学病院 脳神経外科 医員 春間 純
岡山大学病院 脳神経外科 医員 髙橋 悠
岡山大学病院 脳神経外科 医員(大学院生) 村井 智
岡山大学病院 脳神経外科 医員(大学院生) 西 和彦
岡山大学病院 脳神経外科 医員(大学院生) 山岡 陽子
岡山大学病院 脳神経外科 医員 胡谷 侑貴
岡山大学病院 脳神経外科 教授 伊達 勲
1.研究の概要
1) 研究の背景および目的
脳脊髄の血管障害に対する血管内治療は、身体に負担が少ない低侵襲治療の代表として、近年急速に発展普及している治療法です。血管内治療は、特殊な器材を血管撮影装置の下で取り扱うものであり、高度な技術と経験を要することは言うまでもなく、術者の教育と治療の安全性の確保が重要です。血管内治療の実施症例数は増加の一途をたどっており、安全確実に治療を行うための標準的治療の確立および、術者と治療スタッフの教育を含めた実施環境に関する一定の指針作りが必要です。
一方、血管内治療の特徴として、機器器材および技術革新のスピードが速く、論文を中心とした臨床的な根拠を基にしたガイドラインを作成しても、治療の安全性と術者教育に関する指針にはなり得ません。そこで、我が国の脳神経血管内治療の教育に関する指針(ガイドライン)を作成する基礎資料とするため、脳神経領域の血管内治療に限定して、国内で行われた治療症例の、実施内容および合併症の頻度と程度、術者の習熟度等の実態を調査する登録研究を行うため、2005年から2006年に国内で実施された脳神経血管内治療を登録する研究「日本国内の脳神経血管内治療に関する登録研究(JR-NET)」が実施されました。その結果は作成された指針とともに公表されています。引き続き、2007年から2009年に実施された治療を登録する「日本国内の脳神経血管内治療に関する登録研究2(JR-NET2)」を実施したところ、合計約32,000件を越える国内治療実績が集積され、その結果は16の英文論文に公表されています。引き続き行われたJR-NET3では2010年から2014年に実施された43,000件を越える治療が登録され、17の英文論文にその結果が公表されました。
今回は、日本における脳脊髄の血管障害に対する血管内治療の実施状況を把握し、治療成績の評価および治療成績に影響を与える因子の探索を通じ、標準的治療と術者教育の指針を確立するために、2015年から2019年に我が国で脳神経血管内治療を施行された症例を登録し、治療30日後の日常生活自立度(modified Ranki Scale)を主要評価項目、治療の技術的成功、治療30日以内における有害事象の発生、術後30日以内における治療に関連した治療合併症の発生を副次エンドポイントとして治療成績を評価します。
2) 予想される医学上の貢献及び研究の意義
JR-NET4を実施することにより、JR-NET、JR-NET2、JR-NET3と合わせて、さらに重要な脳血管内治療に関する知見を得ることが期待でき、その知見が安全確実に治療を行うための標準的治療の確立および、術者と治療スタッフの教育を含めた実施環境に関する指針作りにつながると考えられます。
2.研究の方法
1) 研究対象者
2015年1月1日~2019年12月31日の間に岡山大学病院および共同研究機関で脳神経血管内治療を受けられた方100,000名、岡山大学病院脳神経外科においては治療を受けられた方、約700名を研究対象とします。
2) 研究期間
臨床研究審査専門委員会承認後(2020年3月13日)~2022年12月31日
3) 研究方法
2015年1月1日~2019年12月31日の間に当院において下記の脳神経血管内治療を受けられた方で、研究者が診療情報をもとに匿名化された患者情報、病変情報、治療情報、合併症等のデータを選び、特に予後や技術的成功、有害事象、治療に関連した合併症に関する分析を行い、予後に関連する因子、もしくは有害事象や合併症が出現する因子について調べます。
脳血管内治療の種類:脳動脈瘤瘤内塞栓術、脳動脈瘤母血管塞栓術、脳動静脈奇形塞栓術、脊髄病変塞栓術、硬膜動静脈瘻塞栓術、頭蓋内腫瘍塞栓術、頚動脈ステント留置術、頭蓋外動脈に対する経皮的血管形成術/ステント留置術、頭蓋内動脈に対する経皮的血管形成術/ステント留置術、急性再開通療法、脳血管攣縮に対する血管内治療。その他の脳血管内治療
4) 使用する情報
この研究に使用する情報として、カルテから以下の情報を抽出し使用させていただきますが、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し使用します。また、あなたの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。
・ 共通調査項目として、治療施設の情報、治療年月日、予定または緊急、同時他治療数、治療時年齢、性別、発症前・治療30道後の患者の日常生活自立度、有害事象を調査します。
・個別治療情報として、治療に関わった医師の情報、治療対象疾患名、実施治療法、初回/再治療の区別、麻酔の種類、技術的成功の程度、治療の合併症を調査します。
・また、各治療法において、疾患特異的な疾患情報、治療情報、合併症の種類を調査します。
5) 外部への情報の提供
この研究に使用する情報は、以下の共同研究機関に提供させていただきます。提供の際、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し、提供させていただきます。
【研究事務局】研究終了後のデータ保管
神戸市立医療センター中央市民病院 臨床研究推進センター
(〒650-0047 兵庫県神戸市中央区港島南町2-1-1)
【TRIデータセンター】データ提出先
医療イノベーション推進センター内
(〒650-0047 兵庫県神戸市中央区港島南町1-5-4)
廃棄の際には、個人情報に十分注意して、電子情報はコンピューターから完全抹消し、紙媒体(資料)はシュレッダーにて裁断し廃棄します。
6) 情報の保存、二次利用
この研究に使用した情報は、研究の中止または研究終了後5年間、研究代表機関である神戸市立医療センター中央市民病院脳神経外科および岡山大学病院脳神経外科(臨床研究棟9階脳神経外科医局 准教授室)内で保存させていただきます。電子情報の場合はパスワード等で制御されたコンピューターに保存し、その他の情報は施錠可能な保管庫に保存します。一定の期間保存が必要な理由は、研究終了後も論文作成やデータ確認を行う事が想定されるためです。
なお、保存した情報を用いて新たな研究を行う際は、倫理委員会にて承認を得ます。
廃棄の際には、個人情報に十分注意して、電子情報はコンピューターから完全抹消し、紙媒体(資料)はシュレッダーにて裁断し廃棄します。
7) 研究計画書および個人情報の開示
あなたのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申し出ください。
また、この研究における個人情報の開示は、あなたが希望される場合にのみ行います。あなたの同意により、ご家族等(父母(親権者)、配偶者、成人の子又は兄弟姉妹等、後見人、保佐人)を交えてお知らせすることもできます。内容についておわかりになりにくい点がありましたら、遠慮なく担当者にお尋ねください。
この研究は氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できるデータをわからない形にして、学会や論文で発表しますので、ご了解ください。
この研究にご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。また、あなたの試料・情報が研究に使用されることについて、あなたもしくは代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、2020年8月31日までの間に下記の連絡先までお申し出ください。この場合も診療など病院サービスにおいて患者の皆様に不利益が生じることはありません。
<問い合わせ・連絡先>
岡山大学病院 脳神経外科
氏名:平松匡文
電話:086-235-7336(平日:8時30分~17時00分)
ファックス:086-227-0191
<研究組織>
研究代表機関名 神戸市立医療センター中央市民病院 脳神経外科
研究代表責任者 神戸市立医療センター中央市民病院 脳神経外科 坂井信幸
研究事務局 神戸市立医療センター中央市民病院 臨床研究推進センター 坂井千秋
共同研究機関(運営委員会)
九州大学 脳神経外科 教授 飯原弘二
筑波大学 脳神経外科、脳卒中予防医学講座 教授 松丸祐司
共同研究機関(その他)
岡山大学病院 脳神経外科・IVRセンター 杉生憲志
その他未定
既存情報の提供のみを行う機関
未定