2009年1月1日~2019年8月31日の間に
当科において頭蓋内病変の外科的治療を受けられた方、
およびそのご家族の方へ
―「頭蓋内病変の外科的治療における硬膜閉鎖の成績、合併症、予後の検討」へ
ご協力のお願い―
研究機関名 岡山大学病院
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
研究機関長 岡山大学病院長 金澤 右
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科長 大塚愛二
研究責任者 岡山大学病院 脳神経外科 准教授 黒住和彦
研究分担者 岡山大学病院 脳神経外科 教授 伊達 勲
岡山大学病院 脳神経外科 助教 亀田雅博
岡山大学病院 脳神経外科 助教 藤井謙太郎
岡山大学病院 脳神経外科 助教 島津洋介
岡山大学病院 脳神経外科 医員 冨田祐介
岡山大学病院 脳神経外科 医員 胡谷侑貴
1.研究の概要
1) 研究の背景および目的
脳外科手術において、脳表に至るまでに皮膚、骨、硬膜、くも膜、軟膜を辿ってゆく必要があります。脳内操作が終わった後、これと逆の順所で閉鎖を行いますが一旦切開した硬膜が術中の焼灼、切除により再縫合が行えない場合があります。この際、筋膜等を用いて縫合閉鎖する場合や、人工硬膜を用いて硬膜閉鎖を行う方法が一般的ですが、その選択は術者により判断されます。本研究では、当院で硬膜内操作を伴う外科的治療を受けた方を調査し、年齢、対象疾患、手術部位、基礎疾患、治療方法などによりその後の予後、合併症の発生に影響を与えるか、検討することを目的としています。
2) 予想される医学上の貢献及び研究の意義
硬膜内操作を伴う開頭手術を行う際、髄液漏(脳脊髄を流れている液が、硬膜という膜の外にもれること)は全例に起こりうる合併症のひとつです。縫合不全により髄液漏が起こった場合、創部癒合遅延、低髄圧症状、感染などの合併が引き起こされる可能性があり、これを予防することは重要と考えられます。現在日本では複数の人工硬膜、硬膜閉鎖方法があり、これを使用する必要性や適切な使用方法等を検討することで、手術後の合併症発生の抑制や満足度上昇につながる可能性があります。それぞれの疾患、部位により選択すべき硬膜閉鎖方法を明らかにすることが本研究の意義になります。
2.研究の方法
1) 研究対象者
2009年1月1日~2019年8月31日の間に岡山大学病院脳神経外科において硬膜内操作を伴う手術を受けられた方2,000名を研究対象とします。
2) 研究期間
臨床研究審査専門委員会承認後(2019年11月8日)~2020年12月31日
3) 研究方法
2009年1月1日~2019年8月31日の間に当院において硬膜内操作を伴う手術を受けられた方で、研究者が診療情報をもとに年齢・性別・疾患・手術部位・既往・症状・身体所見・神経学的所見・血液検査結果・画像所見(CT・MRI)・治療情報・合併症術後髄液漏に関するデータを選び、診断・治療結果に関する分析を行います。
4) 使用する情報
この研究に使用する情報として、カルテから以下の情報を抽出し使用させていただきますが、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し使用します。また、あなたの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。
・患者基本情報:年齢、性別、既往、疾患、症状、身体所見、神経学的所見、手術部位
・血液検査、画像所見(CT、MRI)
・治療情報、合併症、術後髄液漏に関するデータ
5) 情報の保存、二次利用
この研究に使用した情報は、研究の中止または研究終了後5年間、岡山大学病院脳神経外科内で保存させていただきます。電子情報の場合はパスワード等で制御されたコンピューターに保存し、その他の情報は施錠可能な保管庫に保存します。
なお、保存した情報を用いて新たな研究を行う際は、臨床研究審査専門委員会にて承認を得ます。承認された後にホームページ等で研究内容の公表を行い、拒否機会を設けます。
一定の期間保存が必要な理由は、研究終了後も論文作成やデータ確認を行う事が想定されるためです。
廃棄の際には、個人情報に十分注意して、電子情報はコンピューターから完全抹消し、紙媒体(資料)はシュレッダーにて裁断し廃棄します。
6) 研究計画書および個人情報の開示
あなたのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申し出ください。
また、この研究における個人情報の開示は、あなたが希望される場合にのみ行います。あなたの同意により、ご家族等(父母(親権者)、配偶者、成人の子又は兄弟姉妹等、後見人、保佐人)を交えてお知らせすることもできます。内容についておわかりになりにくい点がありましたら、遠慮なく担当者にお尋ねください。
この研究は氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できるデータをわからない形にして、学会や論文で発表しますので、ご了解ください。
この研究にご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。また、あなたの情報が研究に使用されることについて、あなたもしくは代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、2019年12月25日までの間に下記の連絡先までお申し出ください。この場合も診療など病院サービスにおいて患者の皆様に不利益が生じることはありません。
<問い合わせ・連絡先>
岡山大学病院 脳神経外科
氏名:黒住和彦
電話:086-235-7336(平日:8時30分~17時15分)
ファックス:086-227-0191