2009年2月1日~2019年2月28日の間に
当科においてもやもや病の外科治療を受けられた方、
およびそのご家族の方へ
―「小児もやもや病の長期予後の検証」へご協力のお願い―
研究機関名 岡山大学病院
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
研究機関長 岡山大学病院長 金澤 右
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科長 大塚愛二
研究責任者 岡山大学病院 脳神経外科 講師 菱川朋人
研究分担者 岡山大学病院 脳神経外科 教授 伊達 勲
岡山大学病院 IVRセンター 准教授 杉生憲志
岡山大学病院 脳神経外科 助教 平松匡文
岡山大学病院 脳神経外科 医員(大学院生) 高橋 悠
岡山大学病院 脳神経外科 医員(大学院生) 村井 智
岡山大学病院 脳神経外科 医員(大学院生) 西 和彦
岡山大学病院 脳神経外科 医員(大学院生) 山岡陽子
研究協力者 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 脳神経外科学
技術補佐員 水川 由美子
1.研究の概要
1) 研究の背景および目的
もやもや病という病気が1960年代に日本から世界に向けて発信されて約50年が過ぎました。当科の初代教授西本詮先生は当時のもやもや病という病気の普及に大きく貢献されました。もやもや病は乳幼児から成人まで幅広い年齢層に発症するアジアに多い疾患です。小児は大半が脳虚血(血液が足りない状態)で発症し成人は脳虚血と脳出血が半数ずつを占めます。もやもや病の原因は解明されていないため根本的な治療法は存在せず、手術(バイパス手術)を行い脳梗塞や脳出血を予防しているのが現状です。以前よりもやもや病の脳虚血の病態に関する研究は多数行われており、近年では脳出血の病態や無症候性病変の自然歴に関する研究が全国規模で行われています。一方で小児期に血行再建術を行った症例の長期成績は重要な関心事であるものの、小児とくに乳幼児の病態や長期成績については症例数が少なくまとまった報告はありません。そこで当科においてある特定の術者が手術を行った小児もやもや病患者さんの日常生活への影響、学業への影響、長期的観点から手術の脳卒中予防効果がどこまであるのか、乳幼児と学童でどのような差があるのかなどの長期成績を検証することが本研究の目的になります。
2) 予想される医学上の貢献及び研究の意義
小児もやもや病の長期予後を把握することにより将来の治療方針を立てるのに役立つ可能性があります。更に医学的観点以外にも教育的観点からご両親や学校の先生方に適切なアドバイスを行うことができ、医学と教育のバランスを維持しながら子供さんの成長過程を見守ることができます。
2.研究の方法
1) 研究対象者
2009年2月1日~2019年2月28日の間に岡山大学病院脳神経外科においてもやもや病(最初に手術を行った時の年齢が15歳以下)の手術を受けられた方30名を研究対象とします。
2) 研究期間
2019年8月2日~2020年10月31日
3) 研究方法
2009年2月1日~2019年2月28日の間に岡山大学病院でもやもや病(最初に手術を行った時の年齢が15歳以下)と診断され手術を受けられた方で、研究者が診療情報をもとに
・年齢、性別、既往歴
・入院時、退院時、直近の外来受診時の神経所見
・入院時、退院時、直近の外来受診時、それぞれのmRS score(生活自立度)
・就学状況
・CT画像所見・MRI画像所見・血管撮影所見・脳血流検査所見・治療情報・周術期合併症・周術期以降のイベントに関するデータ
を選び、分析を行います。合併症の発生要因、周術期以降のイベントや機能予後に関与する要因を検証します。
4) 使用する情報
この研究に使用する情報として、カルテから以下の情報を抽出し使用させていただきますが、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し使用します。また、あなたの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。
・年齢、性別、既往歴
・入院時、退院時、直近の外来受診時の神経所見
・入院時、退院時、直近の外来受診時、それぞれのmRS score(生活自立度)
・就学状況
・CT画像所見・MRI画像所見・血管撮影所見・脳血流検査所見・治療情報・周術期合併症・周術期以降のイベントに関するデータ
5) 情報の保存、二次利用
この研究で取り扱う情報等は、匿名化した上で、研究・解析に使用します。
匿名化の方法については、患者さんの氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報の含まれない独自の符号を付けます。当該情報が漏れないように、この符号をつけた際の対応表は、岡山大学病院脳神経外科(臨床研究棟9階脳神経外科医局 准教授室)内のパスワード等で制御されたインターネットに接続できないコンピューターで保管します。
この研究に使用した情報は、研究の中止または研究終了後5年間、岡山大学病院脳神経外科内で保存させていただきます。電子情報の場合はパスワード等で制御されたコンピューターに保存し、その他の情報は施錠可能な保管庫に保存します。
なお、保存した情報を用いて新たな研究を行う際は、倫理委員会にて承認を得ます。
一定の期間保存が必要な理由は、研究終了後も論文作成やデータ確認を行う事が想定されるためです。
廃棄の際には、個人情報に十分注意して、電子情報はコンピューターから完全抹消し、紙媒体(資料)はシュレッダーにて裁断し廃棄します。
6) 研究計画書および個人情報の開示
あなたのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申し出ください。
また、この研究における個人情報の開示は、あなたが希望される場合にのみ行います。あなたの同意により、ご家族等(父母(親権者)、成人の兄姉妹等、祖父母、後見人、同居の親族等)を交えてお知らせすることもできます。内容についておわかりになりにくい点がありましたら、遠慮なく担当者にお尋ねください。
この研究は氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できるデータをわからない形にして、学会や論文で発表しますので、ご了解ください。
この研究にご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。また、あなたの情報が研究に使用されることについて、あなたもしくは代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、2019年9月30日までの間に下記の連絡先までお申し出ください。この場合も診療など病院サービスにおいて患者の皆様に不利益が生じることはありません。
<問い合わせ・連絡先>
岡山大学病院 脳神経外科
氏名:菱川朋人
電話:086-235-7336(平日:8時30分~17時-)
ファックス:086-227-0191