2016年 4 月 1 日から 2021 年 3月 31 日の間に 当科において頭部MRI (thin slice) および3次元脳血管撮影を受けられた方へ ―「3DDSA-MRI fusion画像を用いたeloquent areaを灌流する血管の同定」へ ご協力のお願い― 研究機関名 岡山大学病院 研究機関長 岡山大学病院長 前田嘉信 研究責任者 岡山大学病院 脳神経外科 助教 平松匡文 研究分担者 岡山大学病院 脳神経外科 教授 伊達 勲 岡山大学病院 IVRセンター 准教授 杉生憲志 岡山大学病院 脳神経外科 講師 菱川朋人 岡山大学病院 脳神経外科 助教 春間 純 岡山大学病院 脳神経外科 医員 村井 智 岡山大学病院 脳神経外科 医員(大学院生) 西 和彦 岡山大学病院 脳神経外科 医員(大学院生) 山岡陽子 岡山大学病院 脳神経外科 医員(大学院生) 佐藤 悠 岡山大学病院 脳神経外科 医員(大学院生) 胡谷侑貴 岡山大学病院 脳神経外科 医員(大学院生) 木村 颯 岡山大学病院 脳神経外科 医員(大学院生) 枝木久典 MRI画像上の脳機能の局在は明らかになってきており、functional MRIなどの手法によってひとりひとりの脳機能局在も画像化できるようになりました。MRI画像上の障害部位に応じた症候はある程度予測が可能であるため、手術を行う上で脳腫瘍や脳血管障害の病態解明や治療方針の決定に役立てることはありますが、通常は断層画像での同定であり、3次元画像上での同定ではありません。一方、脳血管撮影画像では3次元血管撮影(3-dimensional digital subtraction
angiography: 3DDSA)が可能で、骨と血管構造の位置関係を確認できますが、脳実質の情報は含まれないため、脳機能局在の同定は困難です。言語や運動機能などに関わる部位の近くを治療する場合は、これらを栄養する血管を損傷しないように注意しながら治療を行いますが、術前検査でMRI画像や3DDSA画像により注意する血管を推定しますが、必ずしも正確とは限りません。 そこでMRI画像と3DDSA画像を用いて、これらを組み合わせたfusion画像を作成することで、MRI画像上の脳機能局在を3DDSA画像上の血管情報に正確に対応させることが可能となり、さらに脳神経外科非専門医にとっても、重要な領域を灌流する脳動脈皮質枝を容易に同定できるようにすることが目的です。 研究成果により、起こりうる合併症を予測・回避できる等、将来の医療の進歩に貢献できる可能性があります。具体的には、脳動静脈奇形や遠位部脳動脈瘤などの外科的治療において、脳動脈皮質枝を閉塞する必要がある場合に、どの皮質枝を閉塞した時にどの脳機能が障害されるか、を予測できれば、閉塞すべきでない血管を術前に判断することができます。また、急性期脳梗塞の状況において、どの皮質枝を優先的に再灌流する必要があるのか、を術中に判断することができることで、術後の身体機能が従来と比較して改善する可能性があるため、今回の研究は意義があると考えられます。 2016年4月1日から2021年3月31日の間に岡山大学病院脳神経外科において頭部MRI (thin slice)および3DDSAを受けられた方63名を研究対象とします。 倫理委員会承認後(2021年8月20日)から2022年3月31日 2016年 4 月 1 日から 2021 年 3月 31 日の間に当院において頭部MRI (thin
slice) および3DDSAを受けられた方で、研究者が診療情報をもとに年齢・性別・診断名・MRI 画像・脳血管撮影画像・診断および治療情報・合併症・予後に関するデータを選び、ランダムに抽出した約30名の患者さんのMRI 画像と3DDSA画像のfusion画像を作成します。fusion画像から機能に関する重要な領域を栄養する脳動脈皮質枝を同定し評価します。2DDSA画像で機能に関する重要な領域を栄養する脳動脈皮質枝と冠状縫合との位置関係を測定し標準化を行います。残り約30名の患者さんに対して、位置関係を標準化した手法を用いて、脳神経外科非専門医が2DDSA上での脳動脈皮質枝の同定を行い、3DDSA-MRI
fusion画像を作成して検証します。 この研究に使用する情報として、カルテから以下の情報を抽出し使用させていただきますが、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し使用します。また、あなたの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。 ・年齢・性別・診断名・MRI画像・脳血管撮影画像・診断および治療情報 ・合併症・予後に関するデータ1.研究の概要
1) 研究の背景および目的
2) 予想される医学上の貢献及び研究の意義
2.研究の方法
1) 研究対象者
2) 研究期間
3) 研究方法
4) 使用する情報