2017年1月1日~2017年10月31日の間に
当科において脳血管撮影または脳血管内治療を受けられた方、
およびそのご家族の方へ
―「脳血管内治療に関する診断参考レベル構築のための医療被ばく実態調査」へ
ご協力のお願い―
研究機関名 岡山大学病院
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
研究機関長 岡山大学病院長 金澤 右
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科長
研究責任者 岡山大学病院 IVRセンター・脳神経外科 准教授 杉生憲志
研究分担者 岡山大学病院 脳神経外科 講師 菱川 朋人
岡山大学病院 脳神経外科 助教 平松 匡文
岡山大学病院 脳神経外科 医員(大学院生) 木谷尚哉
岡山大学病院 脳神経外科 医員(大学院生) 高橋 悠
岡山大学病院 脳神経外科 医員(大学院生) 村井 智
岡山大学病院 脳神経外科 医員(大学院生) 西 和彦
岡山大学病院 脳神経外科 医員(大学院生) 山岡陽子
1.研究の概要
1) 研究の背景および目的
年々増加する患者さんの被ばく(医療被ばく)への対策として、国際機関や団体が協力して医療放射線防護の実現に向けた検討を行っています。その対策の一つが、被ばく防護の最適化のための診断参考レベル(diagnostic reference level: DRL)の導入ですが、日本ではこの対応が欧米より遅れています。2015年4月18日日本医学放射線学会内で行われた、医療被ばく研究情報ネットワーク総会において、ようやく日本のDRL案が承認され、同年6月7日をもって成績にDRL が公開されました。しかしながら、そこには診療をおこなった部位や治療手技の情報は一切盛り込まれず、様々な疾患背景をもたれる患者さん個人レベルの被ばく防護の最適化には、直ぐに活用することのできない指標となっています。
そこで、日本脳神経血管内治療学会と日本放射線技術学会との合同調査を実施することになりました。脳血管内治療および診断において医療被ばく実態に関する全国調査を実施し、診断別 / 治療手技別の医療被ばく線量分布情報を把握することで、患者さんの被ばく防護の最適化を図ることを目的として、この研究を行います。
2) 予想される医学上の貢献及び研究の意義
この研究は、脳血管撮影や脳血管内治療を受ける患者さんの放射線被ばくの実態を調査することで、標準的な被ばく線量の参考値(診断参考レベル)を策定することを目指します。国内の多くの施設がこの調査を実施することで、極端に被ばくの多い施設や、逆に少なすぎる施設が識別できるようになり、患者さんの被ばく線量を最適な値に調整することができます。
2.研究の方法
1) 研究対象者
2015年1月1日~2017年12月31日の間に岡山大学病院および共同研究機関で脳血管撮影または脳血管内治療を受けられた方それぞれ15,000名ずつ(合計30,000名)を研究対象とします。
岡山大学病院脳神経外科においては2017年1月1日~2017年10月31日の間に脳血管撮影または脳血管内治療を受けられた方それぞれ100名ずつ(合計200名)を研究対象とします。
2) 研究期間
臨床研究審査専門委員会承認後(2019年11月22日)~2021年3月31日
3) 研究方法
2017年1月1日~2017年10月31日の間に当院において脳血管撮影または脳血管内治療を受けられた方で、研究者が診療情報をもとに年齢、性別、身長、大樹、検査年月日、診断名、疾患部位、実施手技に関する情報、透視 / 撮影 / 線量情報(患者被ばくに関するデータ、造影剤使用に関するデータ)のデータを選び、診断名や治療手技ごとの統計量(四分位点、平均値など)の解析を行います。最終的なゴールは、この解析結果を国内関連団体と協議の上、わが国の診断参考レベルを設定することです。
4) 使用する情報
この研究に使用する情報として、カルテから以下の情報を抽出し使用させていただきますが、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し使用します。また、あなたの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。
・ 患者基本情報(年齢、性別、身長、大樹、検査年月日)
・ 診断名、疾患部位、実施手技に関する情報
・ 透視 / 撮影 / 線量情報(患者被ばくに関するデータ、造影剤使用に関するデータ)
5) 外部への情報の提供
この研究に使用する情報は、以下の共同研究機関に提供させていただきます。提供の際、氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できる情報は削除し、提供させていただきます。
【研究事務局】
産業医科大学 産業生態科学研究所 放射線健康医学
〒807-8555 福岡県北九州市八幡西区医生ヶ丘1-1
6) 情報の保存、二次利用
この研究に使用した情報は、研究の中止または研究終了後、研究事務局では永久保管、岡山大学病院脳神経外科(臨床研究棟9階脳神経外科医局 准教授室)内では5年間保存させていただきます。電子情報の場合はパスワード等で制御されたコンピューターに保存し、その他の情報は施錠可能な保管庫に保存します。当院で一定の期間保存が必要な理由は、研究終了後も論文作成やデータ確認を行う事が想定されるためです。
また研究事務局にて永久保存する理由は、国際放射線防護委員会(ICRP)、国際原子力機関(IAEA)、世界保健機関(WHO)、原始放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)、国際放射線単位測定委員会(ICRU)などの国際機関の求めに応じて提供し、国家間DRL(被ばく防護の最適化のための診断参考レベル:diagnostic reference level)比較調査などの国際的な放射線防護活動に役立てるためです。
なお、保存した情報を用いて新たな研究を行う際は、倫理委員会にて承認を得ます。
廃棄の際には、個人情報に十分注意して、電子情報はコンピューターから完全抹消し、紙媒体(資料)はシュレッダーにて裁断し廃棄します。
7) 研究計画書および個人情報の開示
あなたのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申し出ください。
また、この研究における個人情報の開示は、あなたが希望される場合にのみ行います。あなたの同意により、ご家族等(父母(親権者)、配偶者、成人の子又は兄弟姉妹等、後見人、保佐人)を交えてお知らせすることもできます。内容についておわかりになりにくい点がありましたら、遠慮なく担当者にお尋ねください。
この研究は氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できるデータをわからない形にして、学会や論文で発表しますので、ご了解ください。
この研究にご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。また、あなたの情報が研究に使用されることについて、あなたもしくは代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、臨床研究審査専門委員会承認後1ヵ月後までの間に下記の連絡先までお申し出ください。この場合も診療など病院サービスにおいて患者の皆様に不利益が生じることはありません。
<問い合わせ・連絡先>
岡山大学病院 脳神経外科
氏名:杉生憲志、高橋 悠
電話:086-235-7336(平日:8時30分~17時15分)
ファックス:086-227-0191
<研究組織>
研究代表施設名 筑波大学 脳神経外科 脳卒中予防・治療学講座
研究代表者 筑波大学 脳神経外科 脳卒中予防・治療学講座 教授 松丸 祐司
研究事務局 産業医科大学 産業生態科学研究所 放射線健康医学
盛武 敬
〒807-8555 福岡県北九州市八幡西区医生ヶ丘1-1
日本脳神経血管内治療学会 放射線防護委員会
松丸 祐司(筑波大学脳神経外科 脳卒中予防・治療学講座)
盛武 敬(産業医科大学 産業生態科学研究所 放射線健康医学)
安陪 等思(久留米大学医学部 放射線医学教室)
早川 幹人(筑波大学脳神経外科 脳卒中予防・治療学講座)
庄島 正明(埼玉医科大学総合医療センター 脳神経外科)
坂本 肇(山梨大学医学部附属病院 放射線部)
人見 剛(川崎医科大学附属病院 中央放射線部)
川内 覚(虎の門病院 放射線部)
日本放射線技術学会DRLs2015の血管撮影・IVR分野における効果検証および追加項目に関する検討班
坂本 肇(山梨大学医学部附属病院 放射線部)
赤羽 正章(国際医療福祉大学 医学部)
五十嵐隆元(国保旭中央病院 放射線科)
加藤 英幸(千葉大学医学部附属病院 放射線部)
加藤 守(秋田県立脳血管研究センター 放射線科)
塚本 篤子(NTT東日本関東病院 放射線部)
盛武 敬(産業医科大学 産業生態科学研究所 放射線健康医学)
既存情報の提供のみを行う機関
岡山大学脳神経外科 杉生憲志
国内その他施設